見出し画像

無機質な中に映える生々しさ

新日本橋での展示が始まって、はや5日目。
ビルが建ち並び、ビジネスマンが闊歩する日本橋・神田界隈に通っていて、この無機質で直線的な町と、ボロをまとって山へ通った生々しい奈良男さんの対比が面白く思えてきた。

「山帰りのボッコ(ぼろぼろの)姿も何ら吾れ関せずである。空しきもの、物の空しさ、物の哀れさ、物を欲しいと思わぬ我が心の充実は登山だ。物より心、我は生涯物を身につけようとはしない。身に感じたつけるものは行動の大きさ、高さである。登山行動こそ、即ち歩くことこそ、物や金をはるかに隔絶したものなのだ。物みたいなもの要らぬの感念はしらすしらずにも歩くことより身に付いていたものか。可なる哉。行動の高大ならむを欲するも、物慾全く忘れたり」

と言った奈良男さんが、颯爽と日本橋を歩いてる姿を想像すると、笑えると同時に清々しい。

そして、だからこそ、不器用に武骨にどうしょうもなく手に負えなかった生き様がいっそう浮き立つのだと思う。

開場予定よりだいぶ早い時間に飛び込んできた写真学校の学生さんを入れてあげれると、「すごいすごい」「何の言葉も出ない」と言って帰って行った。

奈良男パワーは、若者にも通じるようです。
確かに、人生の深さだけでなく、やっている事自体、見てくれそのものが、すごいパフォーマンスでもあるもんな。

*ego-Art and Entertainment Gallery アクセス
https://egox.jp/access/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?