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大人なら新聞を読めと言われた時代〜情報弱者とNETニュース

息抜きのNETニュースと業務上の検索履歴

 例えば、社員のPCブラウザ画面の右端に掲載されるバナー広告を見て「あぁこの人仕事もせずに健康食品のサイトばかり眺めてんなぁ」なんてため息を漏らすことがある。取引先のメールに混じって「秋の大ファッションセール」なんてショッピングサイトのタイトルがメールソフトの受信一覧に表示されていたりする。こういう人に限って業務の大切なお知らせや資料のPDFファイルが添付されたメールを見逃したり、添付ファイルを膨大な受信ボックスの中に放置して発掘できなくなっている。
 ある程度NETに長けてる人たちは例え個人のスマホ内でも、プライベートと業務と趣味でアカウントを使い分けたり、ブラウザやデバイスを使い分けたいたりするのは当然のこと。趣味のSNSアカウントには同じ趣味のフォローワーが多く趣味の情報が集まる。業務に関わるアカウントにはその業界からのメーリングリストやSNSへのプッシュ送信、業界ニュースサイトのダイジェストや最新ニュースが届く。けれどチャンネルを幅広く広げているつもりでもやっぱりその話題のニッチな情報に偏ってしまう。

広く偏りなく新聞を読めと言われて

 昔はよく「新聞くらいは読め、社会や政治の話題に触れろ」みたいなことが言われていた。今でも「NETニュース?そんな興味あることだけ見ててもだめ、興味のないニュースこそ新聞では読める」と口にする人も少なくない。「新聞を読んでいる」イコール賢い人、仕事ができる人。そんな妄想が飛び交う時代も確かにあった。
 新聞にも広告を出稿している身としては、確かに新聞の優位性は分かる。昔は毎朝何紙も読んでひとつのニュースをあらゆる方面から読み取り、ニュースの裏にある真意を理解する。そんなことも言われていた。ただ、記事を他社から買ってきて、話題を並べているだけのニュースはいかがなものか?という気持ちも拭えない。むしろ地元のローカルニュースはそんな紙面でしか取り上げられない話題が広がっていて、あえてそういうニュースが欲しくて眺めている時もある。

NETのニュースサイトで今日をまとめる

 では広く浅く、ヒット数に応じて上位に表示されるNETニュースはどうなのか?「今日の話題は?昨日のビッグニュースは?」なんて、タクシードライバーや飛び込み営業マンが挨拶がわりに口にする「共通の話題」のために新聞を読めと言われていた時代と、共通する部分がここに残されている気がする。野球の話題、芸能人のゴシップ、天気の話し。
 でも個人的には、朝一番でこの手のニュースを口にする人はあまり信用を置きたくない。今朝テレビで解説者が話していた内容でしょ?一語一句その人の話しと同じなんだけど?君の意見はどうなの?なんて呆れてしまうことも少なくない。「えっ?知ってる」そんなことも言えず、「というか知らなかったの?」って言おうものなら朝から雲行きが怪しくなるから、聞こえないふりをしてやりすごす。
 ほとんどの人が興味を示さない様な、その人にとっては大事な趣味の話題を、熱く語る人が話す話題は面白くて、むしろこちらから話を振ってまで聞きたいものだ。好きな話ってどうしてこんなにも面白おかしく筋道立って話せるのだろう?

大きなゴシップの裏に隠れたニュースという都市伝説

 「なぁ、大きな芸能ニュースが騒がれる時はその裏で知られたくない、大きな出来事がこっそりと動くから気をつけろ」という話はもう何十年も前から囁かれ「巨大な力で作り上げられた目を逸らすためのニュースだ」という話はもう耳にタコができるほど聞かされる。
 あえて言うならば裏でこっそりと動いている大きな出来事は、その前からもひそかに話題にはなっているしNETニュースでさえ時折報じられる。そして、大きな芸能ゴシップで持ちきりの時に、みんな、いや僕含めてその話題が気になって、面白くて、自分の解釈を語りたくて、大きな裏のニュースの事などすっかり忘れてしまい、裏の出来事が完了した頃にふと思い出して「あぁまたやられた」と苦虫を噛んでしまう。別に隠していた訳でもないし、あえて報道してない訳でもなく、ただただ見てなかっただけのニュースである。
 NETやSNSが盛んな今では、半分フェイクなのか都市伝説なのか、根拠のないデマなのか分からないニュースのその裏の出来事の話題は常に流れていて、芸能ゴシップと並列でずっと発信され続けている。当然逆の立場の意見も同じ様に流れているけれどただ目にしないだけである。

情報弱者って誰?ニュースの選別はどうする?

 例えば僕の親世代ではスマホを手にしていても、そのスマホに入ってくる情報は、孫の成長を伝える子供からのメッセージと、お友達からのランチのお誘いがほぼ全てである。そのほかの情報源としては朝のワイドショーと夜のスポーツ中継くらいで、新聞はもう目が疲れるから読みたくない様だ。
 こう言う人たちを情報弱者と呼んではみたものの、むしろお花の名前には詳しいし、いろんな保存食の知識はある。今時、僕はわざわざ気になるお花をアプリで写真を撮ってAIに教えてもらったり、あれだけ猛暑と言われながら食あたりをおこしたり、ましてや子供が熱を出した時は「相談窓口」につながらず慌てふたいめいてる間に熱も落ち着いて、すやすや眠ってホッとする場面に出くわしたりする。最新のニュースには長けていると自負していても、経験と積み重ねた情報にはなかなかスマホだけでは対応できないことも少なくない。

AIに使われるのかAIにサポートさせるのか

 欲しいニュースと楽しいけど不要なニュース。この選別がきちんと出来ないと、今後AIがブラウザやスマホに標準装備となれば、これからもっともっと、不要だったり本当は必要なのに自分には届かないニュースが増えてくる。芸能界のビッグニュースはこれからの芸能界の方向を完全に変えてしまうかもしれない。けれど、僕にとっては正直どうでもいいニュースであり、業務で広告を配信する際にも僕程度の地方の広告屋には芸能プロダクションは関わってこないし影響はほぼない。テレビ流れていてもチャンネルを変えるし、仲良しさんのSNSでこれについての投稿があってもこの話題はスルーします。
 毎日毎日楽しいギターや音楽のニュース、サッカー日本代表の話題、かわいい女優さんの話題、それ以外はプッシュ通知ではなくて、気になる時に気になったことを、自分から業界関連のニュースサイトや業界の方のブログを読みにいく。このスタイルが今の僕には一番ラクで合ってる気がする。
 政治家の「秘書が勝手にやった」「秘書からは何も聞いてない」というこれまでの言い訳が、これからは「AIが勝手にやった」「AIに聞いてくれ」そんな時代が来るのかもしれませんね。

#ニュースからの学び
#クリエイターフェス

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