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映画の話158 バベル

 モロッコの砂漠で放たれた1発の銃弾からアメリカ人、メキシコ人、日本人へと連鎖していくそれぞれの不幸や人生を、時空を超えて縦横無尽に往還して描いているような作品だと思いました。観ていて、「歯車が狂う」とか、「不協和音」といった言葉が浮かんでいました。ただ、最後のシーンが、救われない魂が救済を求めて悲しみにくれているように思えて、抗しきれない運命をメインに描いていたのが、最後に本当に人の側から描いていると感じ、そういう意味での救いを感じました。「バベル」ですから、神の天罰をまさに描いたのでしょう。そこがこの映画の物議を醸す一因かもしれません。

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