映画の話335 ヒューゴの不思議な発明

　美しい映像と、歯車の複雑な組み合わせで動く機械人形、たくさんのネジなど、時計を分解して遊んだ幼い頃を思い出させるような、ものづくりのワクワク感がそのまま舞台になっています。
　ただ、ヒューゴが孤児で、駅に隠れて棲んでいるという絶望的で寂寥感に満ちた設定なのが、観ていてなんとも言えず暗い影を落としている感じがしました。機械と映画、そして、映画と人の心が、孤独を軸にして美しく描かれていると思います。