2020/12/3【童夢 Arts沼 #4】芸術は、人と人とをつなぐ
期末テスト始まりました。でも【童夢 Arts沼】は忖度せずにぶっちぎることにしました。
どうか「余裕がない」と「全力で集中」は違うということを意識してください。みなさんが、定期テストのイベント化から解脱して、「定期テストもいつも通りで」の意識に早くなることを祈っています!
気分転換にでも読んでください。
ここ数日、本当にたくさんのみなさんが声をかけてくださいます。ありがとうございます。毎日本当に嬉しいです。
昨日も3年生くんが、
「先生、モネ沼とかじゃないんですけど、先生と音楽の話をしたかったんです」
と話しかけてきて、キースジャレットの『ザ ケルン コンサート』がとてもいいとか、最近はレコードとモノラル音源に凝っているとか、アルバムはひとつのまとまった作品なのにダウンロードの影響で切り売りされてズタズタだと思うとか、下北のシティカントリーシティというカフェが最高ですとか、たくさん教えてくれました。まるで甲本ヒロトと話しているような感じがしました。
それからある3年生さんが、
「先生、モネとは少し違いますが、ポール・セザンヌという画家は、いろんなのも描いているんですけど、リンゴばっかり描いている作品がたくさんあるって友だちから聞きました。Twitterでセザンヌの描いたリンゴを粘土か何かで再現している人もいて、おもしろいです」
と教えてくれました。
とても強く感じたことを感謝の想いとともに言わせてください。
「なんにも知らないし、興味もないけど、とりあえず教えて」
と、正直に口に出したら、次々にみんなが話しかけてきている、ということそのものに、めちゃくちゃ驚いています。そしてそれこそが「一番、知ったこと」です。
日ごろ、みなさんに対して偉そうに「SDGsはですねぇ」
とか、
「探究というものはですな」
とか、
「ハイここ、入試でよく出ます!」
「せまるきししかまる」
とか、そんなことばっかり数十年にわたって言ってきました。「知らないことを知らないから教えてと言って人に頼るのはあり得ない」と思ってきましたし、「自分で調べろよ」を基本姿勢にしてきました。
それが今回、かなりいい加減な気持ちでみなさんに「知らないから教えて」「興味ないけど一応教えて」と言ったところ、こうしてとてもすてきな毎日を送れています。
何がすてきって、知らないことを知ることよりもなによりも、清志郎じゃない、モネとかゴッホとかの眠くなりそうな話題でみなさんから声をかけられる、教わる、話す、ということがすてきだと思うのです。
もちろんお客さんみたいに何から何まで教えてもらおうとは思っていません。みなさんから教えてもらったことを入り口に、眠くなりながら自分で調べてみると、けっこう目が覚めることがあります。
思えばモネくんも、事務長先生が紹介してくれたからマブダチになれました。
昨日触れた、1年生の英語の教科書に載っているヤッタラメッタラだったかエッチラオッチラだったか、そんな名前の画家も、どんな野郎かこれからちょっと調べてみる気満々です。
それからリンゴばかり描いているとかいうセザンヌくんも、どんな野郎かとくと見せてもらおうと思っていて、これから楽しみです。
あと下北沢の店は、必ず行こうと思います。てか、卒業したら一緒に行こう。気が向いたら奢るわ。
曲のダウンロード文化が、アルバムという一個の作品を壊していることについては、ネタで書こうと思っていたので、同じことを考えていた生徒がいたなんて、かなり感激です。かつ、少し悔しいです。
おもしろく楽しい表現の世界は、言葉だけでなく、清志郎ばかりではなく、何百年も前からすでにこの世にあった、と、もうすぐタヒぬやもしれないこの歳になってやっと気づいた感じです。
みなさんは10代です。ガラスの10代ですね。そのひび割れてトンガって透明な感性で、みなさんの沼の話を、これからもたくさん聞かせてください。
うちの学校で、そんな話題が、みなさん同士で、また先生方とみなさんとで普通に交わされるようになったら、こんなすてきなことはないと思います。巡り巡って偏差値も上がると思いますけど、それ以上にいろんな部分が上がると思います。非認知能力ですね。
これからもよろしくお願いします!
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