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【書評】世界の仕組みを物理学で知る

みなさんこんにちは。

将来飼ってみたい猫の品種はスコティッシュフォールドのHIROKAMIです。

今回は、「文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る」という本を読みましたので感想を書きたいと思います。

私は大学では物理専攻で普段から物理について学んではいるのですが、この本を読んだことでさらに物理の可能性が広がり、日常のあらゆる場面は物理法則で説明できることを知ることができました。

文系の方でも読みやすい内容となっているのでぜひ1μmでも興味を持ってくださった方には読んでみてください。

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では、内容を軽く紹介します。

🔹なぜ空は青いのか

みなさんはなぜ空は青いのか説明できますか。

「そんなん青いもんは青いやろ。」

「神が宇宙を作るときに空を青くしたんやろ。」

いろんな意見が飛び交うでしょう。この本には理系ならわかるみたいなテイストで書いてありましたが私はわからなくて泣きました。簡単に説明します。

空が青い理由は太陽光にあります。

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図のように太陽からは7色の光が出ています。その中でも赤い光は最も波長が長く、紫の光は最も波長が短いです。

空気中には窒素、酸素をはじめとした無数の粒子が飛び交っています。

波長の短い青系の光は空気中の粒子とぶつかりやすく、あらゆる方向に飛びちる特徴があるため、青い光が空いっぱいに広がります。

最も波長の短い紫の光は人間の目では観測しにくいため空は青く見えます。

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このように、普段当たり前だと思っていた現象がほとんど物理で説明することができます。この例以外にも色々書いてあるのでぜひ読んでみてください。


🔹相対性理論とはなんだ

聞いたことはあるけど内容はよくわからないものランキングベスト10の常連「相対性理論」の登場です。

この本では相対性理論がどれほどすごいものなのか分かりやすく載っています。それでは軽く触れたいと思います。

相対性理論とは、アインシュタインが導き出したとんでもない理論です。

時間や空間は誰にとっても共通の絶対的なものではなく、見る人や立場によって異なる相対的なものである。

めちゃめちゃ砕いていうと「時空間はゆがんでいる」ということです。

これを聞いて多くの人が意味不明だと思ったり、ありえないと思ったりしましたが、のちに実験でこの理論は正しいと証明されました。

アインシュタインはニュートンが発見した万有引力の法則に対し、

なぜ物と地球は引き合うのか?と疑問に思い一つの答えにたどり着いた。

万有引力の法則は、物体が周りの時空間をゆがめるために、その近くにある別の物体が時空間のゆがみにさらされ物体同士が引き合う。

つまり、物体同士が引き合うのではなく時空間のゆがみを通じて引き合っているのだ!

そんな常識外れの理論こそ相対性理論です。

また、日常で使われているGPSには相対性理論が応用されており、高度な計算、正確な時刻補正により位置情報を得ることができています。

かなり難しい分野であるため、大学の物理学科の授業でもなかなか扱えないレベルです。アインシュタインの脳みそはどんな構造をしているのだろうか。。。


🔹なぜアインシュタインは「天才」なのか

有名な物理学者といえば?の質問には必ずと言っていいほど名前の挙がるアインシュタイン。彼には多くの天才ストーリーがあります。その一つを紹介します。

物理学の世界では、通常、実験結果から既存の理論とのずれを見出し、新しい理論を展開するのが主流です。

しかし、アインシュタインはそのプロセスをすっ飛ばし、理論を頭の中で組み立ててからずれを見つけました。

まさに閃きの天才です。

ちなみに相対性理論は常識からかけ離れた理論であったため、発表当時、この理論を理解する科学者は世界に数人程度だったそうです。

聞けば聞くほど天才ということがわかりますね。

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若い子の間で流行したベロだしポーズ。アインシュタインは当時からこの流行を予測していたのではないだろうか。それにしてもかわいい。


🔹シュレーディンガーの猫

この記事の初めに猫の話をしたので伏線を回収しにきました。

ところで皆さんシュレーディンガーはご存じですか。

量子論の世界においてのスーパースターであり、量子のふるまいについてを式で表したとんでもねぇ人です。

量子論とは、素粒子や原子、分子といった目に見えないミクロな世界を説明する理論です。ちなみに原子の大きさは約100億分の1メートルです。テストにはたまに出ます。

また、量子には面白い特徴があり、光と波の両方の性質があります。これを二重性といいます。これはめっちゃテストに出ます。

ここから、常識外れの話をします。

量子は見ていないときは波のようにふるまい、観測した瞬間に粒として見つかります。しかも、見ていないときは起こりうる可能性が複数存在します。

つまり、確率でしか表せない波の状態があるということです。

この事実は多くの科学者を混乱させました。

あのアインシュタイン、シュレーディンガーでさえもです。

そこで、この事実に反論するためにシュレーディンガーが発表した思考実験の名が「シュレーディンガーの猫」です。

この話は物理オタクはみんな大好きな話で私の周りの友達もよく話していました。(当時内容よくわからなかった。)

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実験の内容

①箱の中に1時間以内に50%の確率で崩壊する放射性元素(ウラン)をいれる

②分裂した際に毒薬を入れたビンが割れる仕掛けを施した装置を作る

③外から箱の中の様子がわからないようにし、箱に”猫””を入れる。

この時、量子論に従ったとすると、箱の中では

「猫が生きている状態と死んでいる状態が50%の確率で重なり合った状態」

が存在することになります。

この実験を受けてシュレディンガーは「どうだこれはおかしいだろう!(クソコラボケ!)」と叫び量子論に強く反論しました。

量子力学の正しい方程式を導いた本人が最終的に量子力学を否定するというなんともありえないことが起きてしまいました。。。

このように量子論は従来の物理では考えられなかったようなことがどんどん起こるため無限の可能性を秘めているとも言えます。

量子論の考えを用いると、パラレルワールドの存在の可能性を見出すことができたり、量子の性質を生かした量子コンピュータにより従来のコンピュータより高度な計算を行うことができるそうです。

まだまだ未解明なものも多いため、今ならノーベル賞取り放題ですね。



読んでいただきありがとうございました。この本で一番学んだことは

「あらゆることにWhy?を突き付けることの大切さ」です。

すべての現象には必ず理由があります。理由を明らかにすることで自分の道にさらなる可能性がうまれると思います。皆さんも飽くなき探求心を持って日々生活していきましょう。

See you next time.





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