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ちょっと一服 11月霜月

朝晩寒くなってきました。二十四節気の小雪(11月22日)をすぎ、氷がはったり、初雪が降ったりというニュースが聞こえるようになりました。
11月は、茶人の正月と言われています。
炉が開き、新茶が届き、さまざまな伝統行事が目白押しです。

11月は旧暦10月亥の月

なぜ、11月なのか
旧暦の10月(亥の月)は、陰の月の一年の最後になります。陰の年末に行う行事として、亥は水の神様であることから、亥の月の亥の日に囲炉裏、炉、を開くとよいとされています。

宮中では

宮中では玄猪の儀が行われます。
亥の月の亥の日「神無月時雨の雨の降るごとに わが思う事をかなえつくつく」という歌を天皇が唱えつつ、小さな臼で餅をつき(つく真似)、それを家来が包み、公家たちに渡されたそうです。それが亥の子餅の原型だそうです。

庶民は

庶民でも、収穫を祝い、五穀で餅をつき、餡子をくるんだ亥の子餅を、亥の日、亥の刻に食べ、無病息災を祈念しました。
ひな祭りには菱餅、端午の節句には粽や柏餅と、節目ごとに餅を食べて滋養強壮としたことのようです。

口切の茶

11月は口切があります。
これは、5月に新茶として摘まれた茶葉が茶壷につめられ、11月に製造もとから茶人に納入されます。この壺の封印された口を切るので、口切と言われます。
ずいずいずっころばしの「茶壷に追われてとっぴんしゃん」と歌にも出てくる茶壷です。
これは、大名に納入される茶壷が、殿様のように行列で運ばれてくるので、その茶壷が通るまえには家の中に入って戸を閉めてという意味だそうです。

床の間は、「開門落葉多」の軸に茶壷を飾りました。

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さいごに

このように、11月は、庶民が囲炉裏に火を入れる季節、宮中の儀式である玄猪祭、口切の茶、そして亥の子餅、と、いろいろあります。

ビジネスの現場で、例年やっているからという理由で、それ必要?と思うことも時々遭遇します。
そのような事も、情緒的に穏やかな気分になるのであれば、目くじらを立てることもなく、年中行事として取り入れてよいと思う11月でした。

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