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現役占い師向け「バーナム効果と思わせないための表現」【蒼樹のエッセイ・コラム】


占い師として、バーナム効果(誰にでも当てはまるような曖昧な表現を個別的に感じさせる効果)を意識しないまま使うと、クライアントに「これってただの一般論じゃないの?」と一蹴されるリスクがあります。

占い師として、クライアントに的確で信頼できる印象を与えるためには、曖昧な表現を避け、相手に対して具体性を持った内容を伝える技術が必要です。特に、バーナム効果のような誰にでも当てはまる内容に依存してしまうと、占いを信じたいと思って来てくれるクライアントの期待を裏切る可能性があります。

バーナム効果とは
バーナム効果は、占い師がクライアントに与えるアドバイスが実は誰にでも当てはまる一般的なものであるにもかかわらず、クライアントがそれを「自分だけに特有のこと」と思い込んでしまう心理効果です。
例えば、「あなたは時々不安を感じますが、他人には自信があるように見せています」というような記述は、実際には多くの人に当てはまるものです。しかし、これを自分のことだと錯覚してしまうのがバーナム効果です。

バーナム効果を避ける表現のコツ
バーナム効果を避けるためには、クライアントが本当に自分に向けられたアドバイスだと感じられるような具体的な表現を使うことが重要です。ここでは、そのためのいくつかのポイントを紹介します。

  1. 過去の具体的な出来事を引用する
    単に「あなたは最近孤独を感じている」というような一般論を避け、過去の特定の時期や状況に基づくアドバイスを行います。たとえば、「1年ほど前から、あなたは人間関係の中で少し距離を置くことを選ぶようになりました」と言えば、クライアントはそれを思い出し、「確かにそうだ」と感じやすくなります。

  2. 時間や場所に焦点を当てる
    「最近」という曖昧な表現を避け、具体的な時間軸を示すことで、個別的な印象を強めます。たとえば、「特に、ここ2ヶ月の間、仕事の中で他人からの意見を受け入れる必要があったでしょう」というふうに、期間や状況を特定します。

  3. 行動や結果を予測する
    バーナム効果を避けるためには、クライアントが直面している具体的な未来の行動やその結果を示すのが有効です。「今後2週間以内に、あなたが重要な決断を下すことで、良い結果が得られるでしょう」といった具体的な予測を行うことで、クライアントにリアルなアドバイスとして捉えさせることができます。

  4. 個人的な習慣や嗜好に触れる
    「あなたは時々自分の時間を大切にする」というような一般的なことではなく、「あなたは特に夜や週末に、自分の時間を大切にし、リラックスするために特定の場所に行く傾向があります」といった個人的な習慣や嗜好に触れると、相手は「まさに自分のことだ」と感じやすくなります。


まとめ
占いの結果がクライアントに響き、深く信じてもらえるためには、バーナム効果を避ける工夫が必要です。曖昧な一般論ではなく、過去の具体的な出来事、時間、場所、行動などに基づいた表現を心がけることで、占いがよりリアルで個別的なアドバイスに感じられるようになります。これらのテクニックを取り入れることで、クライアントとの信頼関係を深め、より質の高い占いを提供することができるでしょう。

バーナム効果を避けるための占い表現

汎用性の高い言い回しを具体的で個別に見せる技法

占いが信頼を得るためには、クライアントが「これはまさに私のためのアドバイスだ」と感じられるようにすることが重要です。ここでは、占いの表現がバーナム効果と見なされないための工夫について考えてみましょう。

改良前の表現(バーナム効果的あいまいな表現)

  1. 「あなたは人との交流を楽しむ一方で、時々孤独な時間が必要だと感じます。」

  2. 「あなたは他人の意見を大切にしながらも、自分の信念を持って行動します。」

  3. 「あなたは現在、変化の時期にあり、近いうちに良いことが起こるでしょう。」

これらの表現は、たしかに誰にでも当てはまりそうな曖昧な内容です。多くの人が交流を楽しむ一方で孤独を求める瞬間を経験し、他人の意見を尊重しつつ自己信念を貫くこともあります。これでは、占いに懐疑的なクライアントはすぐに「バーナム効果だ」と見破ってしまうかもしれません。

改良後の表現例

では、どのように表現を工夫すれば、バーナム効果だと見なされずに、より具体的で個別的な印象を与えられるのでしょうか?これを以下のように変えてみましょう。

改良表現1:「あなたは人との交流を楽しむ一方で、時々孤独な時間が必要だと感じます。」⇒「過去1年ほどで、あなたは人付き合いの中で新しい趣味や興味を持つようになったことがあったはずです。ただ、その一方で、自分の時間を大切にしたいと強く感じる瞬間が最近増えてきましたね。特に、週末や夜の時間帯にその傾向が顕著です。

一般的な「孤独と交流」の話ではなく、具体的な時間や状況を示すことで、個別に感じさせます。過去の経験にも触れることでクライアントは「確かにそうかも」と思いやすくなります。

改良表現2:「あなたは他人の意見を大切にしながらも、自分の信念を持って行動します。」⇒「最近、職場や家庭で他人からの意見を受け入れる場面が多かったですね。ただ、それに対しても、あなたの中には強い信念があり、特定の案件では他人のアドバイスに耳を傾けながらも、最終的な決断は自分で下す姿勢を貫いてきたことがあります。これは特に仕事や長期的な計画に関連しているでしょう。

他人の意見を大切にしつつも自己信念を持って行動するという一般論を、具体的なシチュエーションや背景に関連付けて言い換えることで、クライアントに特有の話に聞こえます。

改良表現3:「あなたは現在、変化の時期にあり、近いうちに良いことが起こるでしょう。」⇒「この3ヶ月間で何かが大きく変わろうとしているのを感じていませんか?例えば、新しいプロジェクトに関与する機会があったり、人間関係の変化が生じたことはありませんか?特に、今から2週間以内にその変化がさらに明確になり、その中であなたが主体的に動くことができれば、具体的な成果が出るでしょう。

「変化の時期」といった漠然とした表現を、「具体的な期間」や「成果の予測」に落とし込み、未来に向けたアクションを示唆することでリアリティを持たせます。



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