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オールハンドメイドで創り上げる、旅人の相棒となる旅行バッグ

旅に欠かせない一品、それが旅行バッグですね。
以前よりこの「旅館がつくる旅行バッグ」のアイデアは持っていましたが、今回特別なオーダーが入りましたので、今までにないデザインの旅行バッグの製作に取り掛かりました。

デザインの心得

旅行バッグをデザインする際に、私が特に重視する点は二つあります。
まず第一は、丈夫さです。
旅先での様々な状況に耐えられるバッグでなければなりません。
そして第二に、使いやすさです。
いくらデザイン(見た目)が素晴らしくても、使用感が悪いと旅先での持ち運びが苦痛になります。
どのような用途を重視しているかは、バッグを使用する人によると思うのですが、今回はオーダー品でしたので、ご注文時にどのように使用したいのかをヒアリングしたうえで設計をしました。

底のマチも横のマチも特大サイズ!

今回の重要なリクエストは「底にA4サイズのノートを敷くように入れたい」ということでした。
そのため、これまで作ってきたバッグの中でも群を抜いてマチが大きいデザインになり、またノートが底にうまく入るよう、大きく開けるデザインになりました。

また、付属品にもこだわり、旅行先で便利なミニショルダーやポーチを着脱できるようなデザインにしたことで旅先での機能性が上がり、底板をリバーシブルのデザインにして、その時の気分で底板のデザインを変えておしゃれを楽しめたりと、様々なスタイルで楽しめるデザインに仕上げました。

楽しい旅行になるように思いを込めて、デザイン性だけでなく機能性も重視した設計を心掛けています。
単なる旅行バッグではなく、「旅の相棒」のような存在になるバッグであると嬉しいと思っています。

本革へのこだわり

私の作品は全て本革で仕立てています。
本革は、合皮と比べて確かに重さがあります。しかし、本革の重さは、ただ重いだけではありません。
適度な重量感がしっくりと身体に心地よくなじみ、また長く使い込むほどに味わいが増していき、経年変化(エイジング)を楽しむことができます。
そのため、私は本革の素材にこだわっています。

作業中の苦労と喜び

作業中、最も困難だと感じるのは「菱目打ち」といわれる、穴を開ける作業です。
バッグを手縫いする際には、まず革に糸を通すための穴を開ける必要があります。
一つのバッグを作るたびに、何百回という穴あけ作業を行います。
綺麗に縫い上げるためには、穴を開ける位置や間隔を正確に決める必要があります。この作業は何度も確認を重ね、慎重に行なう必要がある、非常に神経を使う作業です。
穴が一つでもずれるとバッグの形が歪んでしまうため、常に集中力を保ちながら作業を進めます。

また、「コバ磨き」と呼ばれる作業も大変です。
「コバ」とは革の裁断面のことであり、この部分を丁寧に磨いて仕上げることで、バッグ全体の美しさや耐久性が格段に向上します。
この「コバ磨き」の作業は手間がかかるだけでなく、技術と経験が必要です。
とても骨の折れる作業ですが、バッグが完成して磨き上げられた美しい側面の仕上がりを見ると、その苦労も報われるのです。

インスピレーションの源となるもの

私の作品へのインスピレーションの源は、日常のさまざまな場面や体験から得られます。
料理や映画、音楽、地元出雲の風景など身近なものからもアイデアを得ることが多くあります。

ふるさと出雲の田園風景

また、トレンドの最前線にあるコレクションや、新しいスタイルが記された写真集などを通して他のクリエイターの作品を見ることも、重要なインスピレーションの源となります。
日々の生活においても感性を研ぎ澄まして物事を観察し、さまざまな情報からインスピレーションを取り入れ、新しい作品を生み出しています。

今後の作品への展望

今後のバッグのラインナップは、明るい色を使ったお出かけにぴったりなバッグを考えているところです。
これから暖かくなってくると、散歩や旅行が楽しい季節になってきます。
大型のトートバッグやバックパックなど、大容量のバッグも作りたいと考えています。

新作の大容量トートバッグは、パッチワークデザイン。
表と裏で全く違うイメージで使えます。

私の作品は、全てが一点モノ。小物ひとつをとっても、一つとして同じものはありません。

雲出づる国・出雲の「雲」をイメージしたチャーム

他の誰とも被らない一点モノの作品が、使う人にとって「自分らしさ」を表現する為の、大切な要素であってほしいと願っています。
また、手縫いで丈夫なため、長く使っていただくことができます。長期にわたり使っていただくことで、経年変化(エイジング)を楽しんでいただきたいと思います。


souan style:yunokawa concept shop

―雲出づる国 出雲・湯の川― 湯宿 草菴内
◎営業時間/朝8:30~11:00、昼12:30~14:00、夕15:30~20:30
◎定休/月曜昼(月曜が祝日の場合は営業致します)・火曜昼・水曜昼・木曜昼

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