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コロナ禍で見えてきた、旅館として今できる発信。

私は、島根県・出雲市にて小さな旅館で仕事をしています。

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現在、旅館やホテルなど宿泊業界を取り巻く環境が、日々目まぐるしく変化していっていることは、この業界に関係する方でなくても、感じていらっしゃることと思います。

2020年は、本当にジェットコースターのような年でした。
例えば、うちの宿の場合ですがどのように目まぐるしかったかというと、まず4月からの長期休館。
感染防止対策を講じて、6月からの営業再開。
7月からのGoToトラベルキャンペーン。
11月末頃から都市ごとに、GoToトラベルを利用しての旅行自粛の呼びかけが始まり、最終的に12月末にはキャンペーン自体が全国一斉に停止。
ドタバタと始まったキャンペーンは、またもドタバタと停止してしまいました。

自社の企業努力などとは全く関係ないところで売上が上下する。
これは、今までに全く体験したことが無いものでした。
感染拡大の影響で、GWという繁忙期でも休館したり、逆に繁忙期とは言えない時期であってもGoToキャンペーンのお陰で満室が続いたり。
また再びさらなる感染拡大や、急なキャンペーンの停止で毎年にぎやかな年末年始が一気に静かになってしまったり、といった具合です。

また、このような感染拡大の状況下で、宿からの発信については大変悩むところでした。

以前は、SNSなどを使い旅館の情報を発信したり、出雲では一番の観光地である「出雲大社」についての観光に役立つ情報を記事にして、シェアしたりしていました。
小さい宿ですのでPRにあまり大きな予算はかけられませんが、時には記事を広告に出したりして、少しでも集客につながればと、様々な角度からの発信を心がけていました。

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しかし、今までと同じ発信はできなくなりました。
私たちが考えたことは、
「とにかく発信を止めない」こと。
「きてくださいと言わない」こと。

もちろん旅館として、苦しい状況にあるのは現実としてあります。
でも、きっと皆さま「行きたくても行けない」のです。
皆さまがこのような状況にあることを、もちろん私たちは承知しています。
以前と違う状況に置かれているのは、私たちだけではありません。
そんな中でも、田舎の小さな宿のさもない発信を見ていただけているというだけで、今は十分、ありがたいことです。

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このような思いで発信を続けていたところ、以前お越し頂いたお客様に、「落ちついたら絶対また行きます」とメッセージをいただいたり、いらっしゃったことが無い方でも、「いつか必ず行きます」とメッセージをいただいたりすることが増えてきました。

さらに、つい先日、「何も発信できていなかった」のに、嬉しいメッセージをいただく出来事がありました。
きっかけは、インスタグラムのストーリーズでした。

自分としては、普通に配信したつもりだったのですが、なんと真っ黒な画像をストーリーズにあげてしまっていたのです。
それを、「真っ暗なものが上がっていますよ」とメッセージで教えていただきました。

それまで全く気付いていたかったので(既に150名様ぐらい見ていらっしゃいました 汗)すぐにお礼の返信をし、ストーリーズは削除しました。

またその後、ご指摘くださった方より返信がありました。
「またぜひ行きたいと思っています。インスタ楽しみにしております」

涙が出そうになりました。
失敗してしまっても、やさしく教えて下さる方がいる。
何も発信できなかったけれど、また行きたいと思ってもらうことができる。
今までやってきたことは、着実に実を結んでいると実感することができました。

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大変な時期ではありますが、コロナ禍であったから、分かってきたこともあります。

本当に、いつもありがたく皆さまのお気持ちを受け取っています。

出雲の小さな旅館の、さもない日常の発信ではありますが、楽しみにご覧いただけますように、これからもお届けしていきたいと思います。

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