指先の小さな切り傷が教えてくれたほんとうのわたし
双極性障害を患うまでの14年間、コンサルティング会社を経営していた。
時差の関係する仕事だったため、一人で24時間電話に応対していた。もっと業績を上げたい、もっと感謝されたい、もっと有名になりたい、ひとかどの人間になりたい、とひたすら上を目指して突き進む毎日だった。血が沸騰しているような高揚感が常に私を突き動かしていた。
双極性障害を発症して身体が全く動かなくなった当初は、病院で処方される覚醒剤を服用してでも仕事をこなそうと努力した。でも病には勝てなかった。会社を人に譲り