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きょうの聡太くん 2024/10/7

 最近聡太くんは本当に、まるで生まれて初めてゲーム機を買い与えられた人間の子供のようにボールで遊んでいる。
 とは書いたもののゲーム機とはなんとなく違う感じもする。ゲーム機を買ってもらってずっと遊んでいる子供は動かないからだ。これはもう初めて球技の部活に入って、1発でレギュラー入りして毎日楽しくて仕方がない、といったほうが正確かもしれない。ボールは友達、というやつだ。
 人間が出かけている間も、どうやら一人でボール遊びをしているらしく、よく廊下にボールがぽろりんちょと落ちている。本当に「ボールは友達」ではないか。
 毎日ボール遊びで飽きないのだろうか。たぶん飽きないのだと思われる。元気そうでたいへんよい。
 人間がいれば「これなげて」と持ってきたり、逆にくわえてきて「あげないよ」と見せびらかしたり、よほどボールが好きらしい。まさしく部活大好き高校生だ。人間だったらオモウマい店みたいな盛りのご飯を食べるところだが、猫は遊ぶ以上に寝るのでふつうの量でいいのであった。

 聡太くんが母氏のカバンにボールを入れる競技をよくやっている話は何度か書いたが、最近それがちょっと激しい。
 なんというかラグビーのトライみたいな動きをする、まあラグビーはW杯をにわかなりに面白く観た程度しか知らないのだが。聡太くんはラグビー部員だったのだ、ラグビー部員だから 体もモッチリと大きい。
 ボールを入れている袋からボールを引っ張り出す様子なんてラグビーのスクラムとかモールみたいだ。
 そういえば県内で高校ラグビーが開幕するだか開幕しただかというニュースを観たのだが、かつて強豪であった学校のチームで人数が足りなくてバレーボール部から2人助っ人をお願いしてどうにか出場できた……というニュースも流れていた。本当に秋田県というところは人が少ないのだなあ、と思う。
 我が家のラグビー部員に話を戻す。あまりにも母氏のカバンに激しくトライするので、母氏が困っている。母氏のカバンは母氏の持ち物のなかでは比較的高価なものだ。トライを楽しそうに決めているので強く止められないが、あまり頑張らないでほしい。

「にんげんさあ……ねすぎじゃない?」


 聡太くんはまだ液状化する季節でないらしい。
 最近めっきり涼しくなって、たまにすごく寒いときもある。そういうときストーブをつけると、いつもの寝床にいるときなどは迷惑そうな顔をなさっていたりするので、まだストーブの前で液状化する季節ではないようだ。
 液状化といえば去年の大河ドラマの最終回を思い出す。去年の12月、大河ドラマの最終回を視聴していたら、聡太くんはストーブの温風直撃地点でテローンと溶けていた。今年もそういうことをするのだろうか。「ぼくはあったかいところがすきなんですよ……」ととろけているのはやはりかわいい。
 なぜ猫という生き物は液状化するのだろう。よそさまのネコチャンもよく液状化している。ガラスの金魚鉢に流れ込むネコチャンだとか、キャットタワーの透明なくぼみに流れ込むネコチャンだとか、そういうものをよく見る。
 体が柔らかいのだろうな、と思う。犬と比較して猫はとても体が柔らかい。クテッとしている。そして持ち上げると伸びる。
 そういう柔らかなところが好きだ。ドイツ語だと「犬」は男性名詞で「猫」は女性名詞だという。オス猫ほど雄々しい生き物もいないと思うのだが。

 猫は気まぐれだし自分で勝手にいろいろ覚えるのでしつけられない。よほど気分がのらないかぎり人間に愛想を振り撒くこともしないのでで、「犬は好きだけど猫は嫌い」という人がたくさんいるのもやむなし、という性格をした生き物だ。
 でもそういうところが好きというひとはたくさんいるのではないだろうか。少なくともわたしはそうだ。
 そういう生き物が「かまって」「だっこして」「ぼーるなげて」とくるから可愛いのかもしれない。

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