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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2024/8/26

 聡太くんはサンマというものを知らない。出っ歯で大阪弁のほうなら知っているかもしれないが、ここでいうサンマはお殿様が「目黒にかぎる」と言った魚のほうである。
 かつてたまちゃんが元気だったころ、サンマは1匹68円くらいで丸々太ったのが売られていて、我が家ではしょっちゅうサンマを焼いて食べ、たまちゃんもそのおこぼれにあずかっており、「うまうま……うまうま……」とカレーメシのパッケージに書いてある文章のように、たまちゃんはサンマを大喜びで食べていた。
 しかし数年前からサンマは不漁となり、むかし1匹68円だったとは思えない値段になってしまった。しかもお高いのにヒョロヒョロである。とてもとても食べる気は起こらない。
 なので聡太くんは我が家でサンマというものを食べたことがないし、盗んだこともないし、焼いているのを「わくわく……わくわく……!」と見たこともない。
 人間の子供にゲームを見せなければ欲しがらないのと同じで、聡太くんはサンマを食べたがったりすることなく大人猫になった。知らなければ欲しがらない、の典型例であるなあと思う。

 今年の大河ドラマ「光る君へ」が面白い。いやそれは始まったときからそうだ。いまさら書くことではない。
 物語のなかでは当たり前に呪いや陰陽道が描かれ、平安時代の人間がいかに迷信深い人たちだったのかがよくわかる。
 その影響を受けてしまったのか、聡太くんが夜にかくれんぼしているときや、キャリーに自分から入って出てこないときなど、「凶兆か……!?」と思ってしまう。そんなことはないのである、きのうだって普通に寝て、今朝普通に起きた。
 たぶん聡太くんは凶兆も吉兆もわからない。そんなのは聡太くんに限らず、きっとだれもわからない。安倍晴明なら分かるのかもしれないが、大河ではきのうの回でユースケサンタマリア演じる安倍晴明は亡くなって退場してしまった。
 聡太くんは陰陽師というより坂東武者だと思う。「鎌倉殿の13人」の壇ノ浦の回の日にやってきた人だし。

立派なおてて。


 猫用の煮干しが欲しい。それなら喜んで食べてくれそうだからだ。
 最近聡太くんは猫用かつおぶしをあげても「ぼくこれいらない」という顔をするようになった。おやつとして茹でて冷凍してレンチンしたササミは食べているが、それだけでは足りなかろう。
 スーパーのペットフードコーナーにあるかな、と思って探したがなかった。これはホームセンターまで行かねばならないやつだろうか。
 探したいといえば猫用のトンネルが欲しい。キャリーに自分から入って動かない、ということは、屋根のある狭いところに入りたいのだろうからだ。
 しかしトンネルを置いたら茶の間がカオスのるつぼになってしまう。ただでさえ猫ベッドやボールが転がっていて聡太くんに生活を侵略されているというのに、これ以上聡太くんのモノを増やしたら完全に茶の間を乗っ取られてしまう。
 それにトンネルを買ってきて、反応が「ふーん」だったら泣いてしまう。聡太くんにはどうしても気に入らないオモチャというものがあるようで、歯磨き用のロープやパイナップルの蹴りぐるみはずっと無視されてきた。ロープはマタタビをまぶしたら「き、きく〜!!!!」となってしばらく噛んでいたが、すぐ飽きてやめてしまったのだ。オモチャを買うのは無謀な賭けとしか言いようがないのだ。
 しかし猫用トンネルはちょっと欲しい。リアクションが「ふーん」である可能性があっても欲しい。ダイソーの500円商品で見かけたことがあるのだが、いまはもう手に入らないのだろうか。

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