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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2024/3/25

 きのうもナイトルーティーンは省エネであった。まあ最近はずっと省エネだ。聡太くんも大人になったということなのだろう。
 穏やかで暮らしやすくなった一方、もう子猫のころのように超全力で暴れて遊んでくれることはないのかなあ、とちょっと寂しく思っている。
 それはチョッキンしたときに覚悟するべきことだった。チョッキンした動物病院の壁のポスターで、チョッキンすると運動しなくなりよく食べるようになると書いてあった。つまり肥満に注意ということである。
 しかし聡太くんは相変わらずのソップ型である。毎晩ちゅーるで晩酌するようになって少し太った気もするのだが、それでもソップ型なのは相変わらずだ。
 脱線した。ソップ型はともかく、聡太くんが全力で遊ぶところなどなかなか見なくなった。ちょっと寂しいが、チョッキンしないで家のなかでスプレー行動をされると思うと「まあ……しょうがないか」という感じだ。
 それとも新しいボールでもプレゼントしたら息切れするまで暴れまくるだろうか。聡太くんはまだ若い。

 きのうの人間の夕飯はアジフライであった。なんのことはないスーパーのお惣菜コーナーで売っている衣多めのやつだ。
 かつて聡太くんは買い物袋に顔を突っ込み、アジフライを強奪して身を半分としっぽまで食べるという偉業を成し遂げ、それは我が家では聡太くんの武勇伝として語られている。
 ほかにも聡太くんはギョーザをくわえて走った(もちろん取り上げた)とかゆで卵を盗んで走った(これも奪い返した)とか、いろいろ食べ物にまつわる武勇伝があるが、アジフライ泥棒は実際に半分食べてしまったので別格である。ギョーザにせよゆで卵にせよ間一髪で取り上げたのだ。それにギョーザにはニンニクが入っているしゆで卵の白身は食べさせてはいけないらしい。
 そんなことを思い出しつつ夕飯を食べていたのだが、聡太くんはファンヒーターの温風直撃地点であるわたしの食器の真横にでんと座って、食器の上のアジフライをガン見していた。よほどおいしそうに見えたのだろう。しかし手出しはしなかったので、成長して「しりょふんべつ」というものを身につけたに違いない。

長い。


 聡太くんは武勇伝に事欠かないヒトだが、たまちゃんの武勇伝もひとつ書いておく。武勇伝というか可愛すぎて伝説になっている「かわいい伝」だ。
 たまちゃんは毎日のように人間の食べ物を分けてもらっていた。カレーに泳いでいる豚肉だって母氏が味を吸ってやればうまいうまいと食べた。とにかくお腹が丈夫だったから人間の食べ物をあげたくなったし、たまちゃんも人間がなにか食べていると「それわたしもたべる」と手を伸ばす子だったのである。
 ある日、どんな経緯で食卓に上がったのかは覚えていないが、夕飯に超高級料理であるうなぎの蒲焼き(たしか輸入ものでないすごくおいしいやつだった)を食べていると、たまちゃんはそろりそろりと母氏に近寄り、うなぎを欲しそうな顔をした。母氏はたまちゃんに食事を分けてやるのが好きだったので、うなぎを小さくちぎって、ほら、と差し出した。
 たまちゃんはうなぎをぱくっといくかと思いきや、恐る恐る触り、「これは……もしかして、すごくおいしいやつだね?」と確認してから食べていた。その恐る恐る触る仕草が可愛すぎて伝説になっているのである。
 聡太くんが我が家にいるうちにおいしいうなぎを食べることはあるのだろうか。あったらどんなリアクションをするだろう。アジフライ泥棒があんなに楽しそうなのだから大変なことになりそうだ。

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