見出し画像

きょうの聡太くん 2024/10/11

 きのうは母氏が休みだったので、あちこち出かけてきた。ホームセンターにビオラの苗を買いに行ったり、書店に本を買いに行ったりした。
 で、書店に出かけるとき、聡太くんの大好きなボールである通称「銀の弟」を、テーブルの上にあるビオフェルミンの瓶の上に置いて、果たして帰ってきたときどうなっているか……という実験をした。きっと叩き落として暴れ回るに違いない。聡太くんは暴れん坊将軍であるからにして……と思っていた。なおそのとき聡太くんはいささか眠そうな顔をして、父氏の安楽椅子にスッポリとおさまっていた。
 で、帰ってきたら聡太くんは父氏の安楽椅子におさまったまま、スヤンコと寝ていた。ボールは微動だにしていなかった。流石である。
 猫は眠いときは寝るのだ。眠気の刃無限睡眠編なのだ。「ぼくはいいこなので……」なのだ。
 これくらい堂々としていたい。

「にんげんさん……おちついてきいてください」


 きのうの人間の夕飯はアッツアツのおでんであった。大きな鍋いっぱいに煮て、劇場版オーバーロードの特典冊子上下巻を貸しに来てくれた叔父上にも分けた。大根はシミシミで練り物は出汁を吸い、鶏肉もよく煮えて非常においしかった。
 聡太くんは「とりにくですか!? とりにくですね!?」という反応をしたのだが、ぜったいお腹を壊すと思ったのでみんなで「これはきみのじゃないよ」と言っていたら「なんだ……ぼくのじゃないのか……」と諦めて、どっこいしょと布団におさまって寝てしまった。
 さて、ここで問題が発生した。「おでんの残りどこにしまって寝るんか問題」である。
 奥の廊下は聡太くんが1人で行けるようになってしまったので、勝手に行って「ひっくりかえしちゃいました、てへぺろ」とやる可能性がある。しかし叔父上におでんを分けたので蓋つきの鍋が一つない。さんざん考えた結果、叔父上に渡した鍋より一回り大きい鍋にぜんぶうつして、あまりしっかり塞がらないふたをして、冷蔵庫にしまった。冷蔵庫は大根臭くなってはいないだろうか。

 聡太くんは人間を噛むのと同じくらい人間をなめるのが好きだ。初めはかじっていても結局なめて満足する。
 おいしいのだろうか。人間の肌だから塩味がするのは間違いない。それともほかの猫を毛繕いするつもりでなめているのだろうか。
 まあワンちゃんみたいにベタベタにされるわけでないのでいいのだが、その代わり舌がザラザラしていてとても痛い。なんでも毎晩父氏の顔をなめに行くらしい。父氏も愛されて大変な目に遭ってるなあと思う。しかし父氏の顔なんかなめてヤニ臭くないのだろうか。謎は深まる。

「なべしき、あったかーい」


 最近の我が家の流行語は「君が袖噛む」である。もちろん「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」の本歌取り(?)だ。
 聡太くんは興奮して人間(主にわたしである)の袖を噛むことがある。「にゃああー!」などと叫びながら袖を噛んでいるときは相当興奮しており、そのあと毛繕いなどをしている場合なにのとは言わないが先っぽが出ている。それでこの恋の歌になってしまったわけである。
 たぶん袖を噛むのはメス猫の首を噛むのと同じなのであろう。分かったから先っぽを出すな。

液状化した。


 ここからが本題である(前置きが長すぎる)。
 きのうの人間の夕飯がおでんだった、というのは前述した通りである。テーブルに鍋を直置きするとテーブルが傷むので、当然鍋敷きを敷くわけだが、人間がおでんで満腹して鍋をどかしたところ、聡太くんは鍋敷きにしがみついて「はあごくらくごくらく」と温まっていた。
 アッツアツのおでんの鍋を置いたせいで鍋敷きがホッカホカになっていたらしい。聡太くんは鍋敷きに抱きついてしばらくテーブルの上にいて、だんだんと液状化してきた。そうか、鍋敷きが温かくて気持ちがいいのか。変なやつだ。
 こんな感じでホッカペにも反応してくれたらいいのだが……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?