見出し画像

きょうの聡太くん 2024/2/3

 引き戸が怖い。というのもいったん直ったはずの戸車がまた調子を悪くして、途中で止まるようになってしまったのだ。
 いったん止まると力いっぱい閉めなくてはならない。しかしもしその力いっぱい閉めるところに聡太くんが来たらたいへん危険である。自分で開け閉めするのは構わないが人間が引き戸と格闘しているところにはきてほしくない。
 どうもそういう恐ろしい妄想が頭をよぎることがある。これはもうあきらかに統合失調症の妄想だ。なにか取り返しのつかない恐ろしいことをしてしまうのではないかと、毎日のように思う。
 こういう人間には車の免許を持たせてはいけないと思う。たぶん統合失調症だと免許を取るのは難しくなるのだろう。
 そういうふうに「取り返しのつかない恐ろしいこと」をやらかさないか、自分を見張る毎日である。たとえばテレビのレコーダーの、見終わった映像を消すときに、「電源を切らないでください」と表示されるわけだが、そういうときにコンセントを抜いたらいったいどうなるのだろうと思ってしまう。もちろんやらないのだが、もうちょっと精神が荒んでいたらやりかねないのではないか、と思う。
 とりあえず聡太くんを危ない目に遭わせる妄想だけは勘弁してほしいと思う。

 聡太くんは毎日、とても元気そうに見える。
 でも経験上、猫は少々具合が悪くても元気なフリをするものだと知っている。もちろん去年夏の肺炎のときは鼻ピクピクで気付いたわけだが、そういうわかりやすい変化があるとは限らない。
 毎日、聡太くんになにかあったらどうしよう、と心配ばかりしている。心配したってどうにもならないことは心配しないつもりでいるのだが、聡太くんが具合を悪くしたら獣医さんに連行するということができるのだ。つまり心配して見ればどうにかなるかもしれないことなのである。
 小さいお子さんのいる親御さんはこれよりもっと心配するんだなあと思うと恐ろしい。とてもとても子供なんて持てるものではない。猫1匹にこれだけ心配しているのだから。

「とろけるぅ……」


 猫1匹と言ったものの、その命の価値は人間と何ら違いはないと思う。生きているというのはとても尊いことだ。だから心配してしまう。元気で長生きしてほしいとも思う。
 だいぶ調子がよくなったので、サプリメントを休んで様子を見てみることにしたのだが、もうそれだけで心配である。
 しかしいつまでもあのお高いサプリメントを与え続けるわけにはいかない。あのサプリメントは獣医さんのお許しがないと買えないようになっていて、父氏とタメであるいつもの獣医さんがいつ動物病院を閉めてしまうかわからないことを思うと、早く健やかお腹になっていただかないと困るのである。
 聡太くんは全体的に痩せているように感じる。主な比較対象である、絵の先生のところの猫軍団がみんな太っちょだからそう思うだけかもしれないが、痩せているよりは小太りくらいのほうがほどほどに健康そうだと思うのだ。
 それとも聡太くんは細マッチョというやつなのだろうか。ムキムキキャットになったら面白いと思う。程度問題というやつだが。
 いま聡太くんは高いところに登ってお殿様ごっこをしている。健康なのだと思われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?