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哲学が好きです。 哲学、文学、アニメ、映画、サッカーなどについて少し哲学的に書いていき…

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哲学が好きです。 哲学、文学、アニメ、映画、サッカーなどについて少し哲学的に書いていきます。 ブログ:https://www.sou-philosophia.com/

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    本の感想や批評をまとめます。

最近の記事

内田樹『勇気論』 第1章の同意と反論

上の記事の要約です。 本書第1章では、勇気とは何かについて論じられている。 本章によると、勇気とは、感情的な面と、論理的な面が存在する。 感情的な面は、孤独を恐れず、自分の正しいと思うことを貫くこと。友情は勇気とは相性が悪い。なぜなら、友情とは共感を前提とするからである。 論理的な面は、一見まとまりのないバラバラな事象から、どのように連関を見出し、それらの事象を成立させる仮説を導き出せるか。この仮説を見出す際に、恐れずに論理を飛躍させることである。 これに対して、賛

    • なぜKindleUnlimitedの本はダウンロードしても読まないか

      上の記事の要約です。 書店で買った本の方が、未読率が低いという、個人的な体験から執筆しました。 結論としては、本を購入する場合、払うコストは二段階に分かれている。買う時の金銭的なコストと、読む時の労力・時間的コストだ。 書店で買う本は、購入時に実際の金銭を払っている。そのため、その分のリターンをはじめから期待して買っている。ゆえに、二度目のコストである読む際の労力・時間的コストを織り込んでいる可能性が高い。 対して、Unlimitedの本は、購入時に金銭がかからず、さら

      • コナン映画『100万ドルの五稜星』の感想 エンタメとストーリーの不協和

        ネタバレ注意 先日、名探偵コナンの新作映画、『100万ドルの五稜星』を観た。 感想は、 観ていて楽しかった ストーリーとしては不完全さを感じた というものである。 なぜこのような相反する感想を抱いたのか。それは、客を楽しませるシーン=エンタメは確かに多く、楽しめたのだが、肝心のストーリーはご都合主義が多く、おざなりになっていると感じたからである。 その理由について述べる。 まず、この映画が観客を楽しませる仕掛けをたくさん用意していたことは間違いない。 一つ目の仕

        • 五木寛之『海を見ていたジョニー』に対する寺山修司の評論への批評

          五木寛之コレクションの音楽小説名作集に付属しているノートに掲載されている寺山修司の評論『黒いアルバム』の抜粋に対しての意見 五木寛之『海を見ていたジョニー』と寺山修司の評論『黒いアルバム』の概要 ジャズピアニストのジョニーが、戦争から戻り、少年とその仲間であるベーシストの健ちゃんに、もうピアノは弾けないと言う。それでも演奏をせがむ彼らに対して、ジョニーは「聞いてもらえばわかる」と言い、ピアノを弾く。少年と健ちゃんらはジョニーの演奏に感動する。ジョニーはそれに絶望する。なぜ

        内田樹『勇気論』 第1章の同意と反論

        • なぜKindleUnlimitedの本はダウンロードしても読まないか

        • コナン映画『100万ドルの五稜星』の感想 エンタメとストーリーの不協和

        • 五木寛之『海を見ていたジョニー』に対する寺山修司の評論への批評

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          「人それぞれ」と思えるための思考方法

          「人それぞれ」という標語が昨今あふれている。 好きな食べ物、音楽、本。どんな将来を目指すか。どういった価値観を持つか。 価値観について言えば、結婚は最たる例かもしれない。 二十四、五歳までに結婚するのが当然というような考えは、いまではむしろ非難される。結婚については当人の自由であり、それは結婚相手や結婚する年齢、子供をもつかどうかを当人同士で決めるということが当然とされている。 そのような考え方のもとで育った人は、一昔前の雑誌やテレビを見ると驚き、違和感を覚える。なに

          「人それぞれ」と思えるための思考方法

          哲学をするとは

          哲学とは小難しい専門的なことをいろいろ考えることではなく、日常に起こるいろいろな出来事について立ち止まって考えることだ。 日常にはいろんな疑問が付き物である。些細な疑問から、自分の人生の疑問までいろいろあるだろう。 たとえば、身近な誰かを亡くしたことがある人は多いだろう。あるいは、今は楽しく一緒に過ごせていても、いつかこの人を失ってしまうのではないかと考えることもあるだろう。そのような、悩んだところでどうしようもないのに悩まずにはいられないことはきっとあるはずだ。誰もがそ

          哲学をするとは

          社会、組織、個人における、硬直化した習慣とその変革についての考察

           社会と個人を同時に扱うため、慣習ではなく習慣を用いる。  ある社会が変化に直面するとき、あるいは小規模な集団や個人が変化に直面するとき、従来のシステムがどのように変化を受け入れるのか、悪あがきや最後の抵抗をするのか、それともすんなりと受け入れるのか、そのような変化の法則のようなものについて考える。  習慣はなかなか変えられない。英語にも、old habits die hard(古い習慣はなかなか消えない)という言葉がある。一度軌道に乗ってしまった物事は簡単には変わらない

          社会、組織、個人における、硬直化した習慣とその変革についての考察

          12/9 Periodista小澤さんのセミナーにて考えたこと

           先日、スペインサッカーのジャーナリスト、小澤一郎さんのセミナーに参加した。 10代、20代の男性を中心に400人以上?くらいの参加者だったそうで、セミナー中も、zoomのチャットが賑やかだった。  セミナーでは、小澤さんのキャリアや、現代が個人の時代であること、スマホ上のコンテンツと実物の違い、また恋愛についてなど、面白い話が目白押しだった。  なかでも、考えさせられたのは、 ・実物を体感することと、スマホの中での消費の違い ・経験の深さと幅について ・恋愛はgive

          12/9 Periodista小澤さんのセミナーにて考えたこと