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ガソリン価格はなぜ上昇?今後どうなる?

sottoです。ちょうど車を買おうか検討している最中だったので、ガソリンがリッター170円と言われてちょっと購買意欲をそがれています。
あげく政府の決定として「国内石油元請け会社への5円補助金」の決定には心底がっかりしています。暫定税率やらトリガー条項やらはどこいった。

国の委託を受けてガソリン価格を調査している石油情報センターによりますと、今月1日時点のレギュラーガソリンの小売価格は全国平均で1リットル当たり168.7円となりました。
先週より1.4円値上がりしていて、2014年8月以来、およそ7年3か月ぶりの高値水準となっています。値上がりは9週連続です。
出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211104/k10013334291000.html

ただまあ、高い高いと文句を言うのは簡単ですが、せっかくなのでなんでこうなったのかと今後どうなるかという推測をnoteにまとめます。

※投機的な原油価格の上下は説明が煩雑になるので省きました。

そもそもガソリンの値段て誰が決めてるの?

ガソリンは世界中で必要なので、基本的に全てアメリカの市場を通して価格が決定しています。なので基本的に日本が高いときは他国も高いし、その逆もしかりです。

じゃあなんでこんなに高いのといえば、
ようやくコロナのダメージが抜けた国が大量にガソリンほしいのに、石油の原産国連合である「OPECプラス」が必要な量を供給していないからです。

OPECプラスの協調減産政策

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中東を始め、ロシアやメキシコを加えた石油の原産国は世界の石油の価格をコントロールするために「OPECプラス」という組織を作り、世界中の4割の石油を生産管理しています。彼らが増産すれば石油が余ってガソリンは安くなるし、逆に減産すれば石油が足りずにどんどん値上がりしていきます。

需要は日々変動するのに供給量を好きなだけ取ってしまうとガソリンの値段が爆下がりして生産側が得しないので、可能な限り高値を維持したい。でも絞りすぎると代替エネルギーの研究が進んで将来的に石油が売れなくなるし、その前にアメリカはじめ世界中がブチ切れるので適度に生産量を調整しています。

今回起こったパンデミックで、世界中の石油の需要ががくんと落ちました。産業も動かないし個人も外出しないとなれば当然です。

原油の価格がマイナスに

そんな中2020年3月、いろいろな事情でコロナ前から減産気味に押さえていたOPEC内で内輪もめが勃発します。主人公は中東の王サウジアラビアと大量の油田を抱えるロシアです。

サウジ「4月からの生産量だけどさ、コロナやばくて皆石油欲しがらないから、今までよりもうちょい原油掘るの辞めない?」
ロシアえ?嫌だけど。どうせ何ヶ月かしたら価格戻るでしょ。ウチも今お金ないのに売り物作らないとか困るから」
サウジは?あーそう。ウチら裏切るんだー。好きにしたら?せっかく皆のこと思って減らそうかって提案したのに。じゃあ俺らも厳しいのは一緒だからガッツリ生産してやるわ。」

そうして市場を無視してガンガン石油を掘った結果、備蓄するための貯蔵庫がパンパンになります。

船「原油もってきたよ」
アメリカ「いや、もうパンパンだから。いらないよ。」
船「え、でももう掘ったしもらってくれないと困る・・・」
アメリカ「維持費もタダじゃないから引き取るためにそっちが金払うならもらってやるよ

こうして世界中に石油が溢れすぎたせいで、作ったものを引き取ってもらうのにお金を払うという世にも不思議な状態になってしまいました。

慎重になったOPECプラス

流石にヤバいと思った原産国たちは改めて5月からの約束で減産を取りまとめ、この原油安は落ち着きました。サウジアラビアは本気で増産すると全然得しないところか廃棄料を払わされる上、他の石油原産国からも白い目で見られるということを痛感しました。

時が経って2021年中旬、コロナウイルスのワクチン接種が各国で進み少しずつ経済がもとに戻りつつある中で、石油の需要も今まで通りに近づいてきました。

しかし、アメリカや日本が「もっと石油を売れ」といっても先のマイナス売上に懲り懲りなサウジアラビアはなかなか同意しません。だってまたコロナが流行ったら同じ轍を踏みかねないんだもん。

今後どうなる

ここからは完全に私見です。
私はこのまま1L=180~190円にはならず、むしろ12月~1月ころを目処に150~160円くらいまで下がると読んでいます。

というのも、今の価格を維持した場合、結局損をするのは中東の原産国なのです。燃料の一番の消費国はアメリカですが、彼らは別に国土に燃料が眠っていないわけではありません。むしろシェール革命という新しい技術を開発した結果、一時期は世界で一番原油が取れる国になったくらい資源が豊富なのです。

それでもなぜ中東から輸入しているかといえば、単純に自国で掘るよりも買ったほうが安いし簡単だから

新技術の投入はやっぱりお金もかかるし、あんまり掘ろうとすると国内の左派から「環境破壊だ!」と政権がぶっ叩かれるので積極的にはやりたくない。でもこのまま原油価格が高止まりしたら今度は車文化で生きているアメリカ人全員から睨まれます

このまま何年も価格を維持するようだったらアメリカは間違いなく自分たちで原油を用意しだすでしょう。ので、あまりOPEC側も強気に出れず原油価格はじきに落ち着くだろうと思っています。

結論と唯一の懸念点

で、原油価格自体は下がるとしても、我々の手元に来るまでには国内の石油会社とガソリンスタンドを経由してくるわけで。そこにリッター5円の補助金突っ込んでも、最悪石油の元請けや各ガソリンスタンドが利益を乗っける余地が残ってしまうわけで。

流石に仕入れ価格がバッチリわかっているのに、5円まるまる利益にはしないでしょう。でも1~2円程度は持っていくかもしれません。たかが1円と思わないでください。日本で使う1年間の石油の量は2億8000万kl、つまり1円浮かせば業界として2,800億円の利益を生むのです。

本題の前に書きましたがトリガー条項といって、本来は一定価格以上になったら税金を下げる仕組みがあったのですが東日本大震災の財源にあてるために一時値下中止の法案が通っているので現在は稼働していません。

しかも日本のガソリン税は実は諸外国とくらべれば低く(その代わり自動車重量税が高いから自動車保有者のコミコミの税負担はだいたい一緒)、脱炭素を叫ぶ世の中ではガソリン税を上げる方向に進むと思います。多分ガソリン車の販売が終了する2035年頃に。

なので原油価格は下がるが、我々の手元に来るまでに違う人間の手に渡る可能性は捨てきれないと思います。クソが。

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