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日本とアメリカの違い~ウクライナ大統領の演説~

日本時間3月23日、ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説が行われました。全体として他の国よりもだいぶマイルドな表現だったみたいなので、アメリカと比較することでゼレンスキー大統領が日本に対し何を求めていたのか、自分なりにnoteにまとめてみます。

全文は下記の記事より。

リアルタイムで聞いていたファーストインプレッションとしては、「日本のことをよく勉強して、共感できる部分を探してきたんだな」「よく時間がない中で、これだけ日本人受けしそうな文体を作れたな」と関心しました。

とはいえ、ウクライナから見たときに今各国に要請したいのは「同調」や「共感」ではなく具体的な支援や戦争終結のための様々な援助だと考えると、この演説にも着地すべき目標があるはず。考察してみます。

ゼレンスキー大統領の要請

ゼレンスキー大統領の演説の中で共感を得る部分を取り除くと言いたいことは2つ。

①ロシアへの経済制裁を続行すること
②アジアの資本主義陣営としてリーダーシップをとること

日本が軍事的に協力することが難しいのを理解していて、引き続きお願いします、といったレベルに抑えたお願い事だったと思います。

ウクライナがアメリカに求めていること

他方、アメリカにはそうは言いません。もっと具体的な要請をしています。

日本には「人道」を語る一方でアメリカには「自由」をキーワードに語ったゼレンスキー大統領。同じように要点をまとめると、

①戦闘機の配備及び制空権の奪取への協力
②より強固な制裁
③ロシアの政治家すべてを制裁リストに加えること
④ロシア製品と船に対して輸出入を封鎖すること
⑤新しい仕組み「U-24」同盟の発足

流石にロシアの政治家すべてを制裁なんていうのはウクライナ側も実行可能だとは思っていないでしょう。アメリカ式というか、主張すべきことはしっかりとする文化に合わせた結果でしょうか。

どちらにしろ日本相手より、より踏み込んだ表現と要求をしているように思います。

これは日本と違い、アメリカは物理的にロシアを叩きのめす事ができる戦力を保持していること、またこれまでの歴史からアメリカが世界の警察に返り咲くだけの国力があることを背景としていると考えています。

ウクライナが日本に求めていること

以上を考えると、ウクライナが日本に求めていることは、アメリカの言うことをよく聞いて、引き続きよろしくね程度だと私は理解しました。

ウクライナ目線に立ったときに、ヨーロッパ諸国はこれから仲良くしたい隣人、アメリカは世界で最も国力がある資本主義世界のトップなのに対して、日本はアジアで大きな市場がある資本主義の国という意識で序列が低めなのだと思います。アジアは中国傘下の共産主義圏vs日本の資本主義圏という対立構造だから日本側にも挨拶しないとな、位の意識。

なので、ぶっちゃけたところ向こう側に味方しない限り大したお願い事はないし、してもアメリカの要請に従うから対して意味ないよね。というふうに解釈しました。

例えるなら社長と部長の関係。ある程度社長を口説き落としている状態で部長にまで違う要請はしないのと同じで、あんまり違うこと言うとかえって混乱を招くだけで逆効果。だから部長相手には熱意と取引継続だけお願いします。と伝えるのが最善手。そういう理解です。





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