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【イベントレポート】ソトナカプロジェクト初の交流会を開催し、約30名が参加しました。

提言の中でもお伝えしていたように、ソトナカプロジェクトでは中途採用者同士のコミュニティ作りや助け合いはもちろん、それだけに閉じずに多様なバックグラウンドをもつ方々と協業していくことを大切にしています。

同じ志を持つ仲間と議論し、より良い社会や未来の実現に貢献できる霞が関を共に目指したい…そんな思いから、6月27日月曜日の夜に、第1回の交流会を、霞が関の官民共創HUBにて開催。お陰様で約30名の方にご参加いただきました。

開催概要
【日時】 6/27(月)
  20:00~21:00 勉強会
  21:00~22:00 懇親会
【場所】 官民共創HUB
【参加対象】 国家公務員を中心に、霞が関で働く方※
 ※中途人材のみなならず、民間からの出向や、生え抜き職員も含む。

まず最初に、プロジェクトメンバーの中館尚人から、5月25日に人事院の川本総裁に手交した提言の概要や、これまでの活動の歩み、メディア掲載実績、今後の展望などについてご説明しました。

いつになく緊張の面持ちで、熱く語る中舘。

続いて、以下の3人のプロジェクトメンバーから、自身の霞が関への転職とキャリアに関する体験についてお話をさせていただきました。

~中途採用者のキャリアについて~

農林水産省 農村振興局 農村政策部長 佐藤一絵(さとう・かずえ)

新聞社、出版社とメディア業界を経て、農林水産省の中途採用一期生として入省して15年。今月、農村振興局農村政策部長に就任しました。
農林水産省は15年間、毎年コンスタントに中途採用を継続し、既におよそ50名のソトナカ人材が活躍しています。

初の中途人材として私を採用する時は、女性で、30代後半、新聞記者出身、ということで前例のない要素が多く、賛否両論あったようですね。記者は体力がありそうと見込まれたのが採用の決め手だったかもしれません(笑)。

入省後に配属になった部署が民間や自治体からの出向者もいる、背景の多様な人材のいるところだったこともあり、特別扱いされ過ぎることなく、意外とすぐ馴染めたのは恵まれていたと思います。もちろん、責任の重い公務を担う中、様々な苦労はありましたが、楽しく仕事を続けてこられました。私の中途採用同期もみな、今も辞めることなく活躍しています。

ソトから来たからこそ、組織改革や政策の改善により貢献できるし、そうすべきところ、十分できてこなかったという反省もあるので、中途ならではの価値をより一層、組織に還元していけるよう取り組んでいきたいです。

〜中途採用者活躍に向けた課題〜

外務省 中東アフリカ局 中東第二課 首席事務官 伊藤友香子(いとう・ゆかこ)

企業の弁護士として勤務した後、より社会の全体像を見渡しながら貢献できるような仕事がしたくなり、最初は外務省の任期付き職員として入省しました。TPPなど諸外国との条約交渉を担当する部署でダイナミックな世界の動きを感じながら、弁護士としての知見を公務に生かせる誇りを感じることが出来ました。

より公共の仕事を長く追求したいと考えて、周りの皆様に相談に乗ってもらい、中途採用の試験があることを知り、2017年に総合職として入省しました。配属は北米局、時はトランプ政権誕生の混乱の中。法律の知識を生かすというよりは、体力勝負で何でも対応するような日々の中、霞が関の独自ルールや暗黙知がわからずに、ただ過去のキャリアを捨てて白く染まることを期待されていると感じ、問題意識を持つようになりました。

外務省も農水省のように15年ほど中途採用をしているものの、今も残っているのは十数名と少なめ。彼らとソトナカゆえの悩みを共有したところ、同じような課題を抱えていたことがわかりました。

今後はこれまでの経験を活かし、まずは外務省内でより多様なバックグラウンドを持つ人材を採用し、その多様な個性を活かしていくことで究極的には人を大切にする組織環境を創っていくことを目指します。

〜転職直後に苦労したこと〜

経済産業省 経済産業政策局 アジア新産業共創政策室 室長補佐 北角理麻(きたずみ・りま)

理系の大学院を卒業後、外資系医療機器メーカーでのマーケティング、研究開発などを経て、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)に転職。国際連携推進担当として日本と海外の研究者の共同研究を支援していました。

ひとつのテーマを掘り下げるだけでなく、よりスケールの大きな業務に関わりたいと思っていたところ、経済産業省に中途採用の制度があることを知り、国家公務員としてのキャリアをスタートさせました。

ただ、最初は本当に戸惑いと不安の連続でした。上司が外出がちで話しにくい、飛び交う霞が関用語がわからない、何をどこまで掘り下げて資料にしたらよいのかの勘どころもわからない…そんな状態のまま、見よう見まねで仕事に取り組むうちに、自分への自信を失っていきました。

その辛かった時代を乗り越えた経験から、中途職員へのサポートや受け入れ側の心構えや制度改善に向けたTIPSを可視化し、シェアすることに貢献したいと考えています。

※参考:北角による過去のnote記事「リケジョ&ワーママから見た霞が関の魅力と未来」はこちら

その後、参加者同士で数名のグループに分かれ、
霞が関のもったいないところは?
●ソトとナカの人材をどのようにコラボさせるか?

というテーマで議論を行いました。

各グループ、初対面のメンバー同士、話は尽きない様子。
省庁や職種を越えて語り合いました!時間が足りませんでしたね…

最後に、各グループ内で話したことを、全体にシェアしていただきました。
こんな声をいただきました。

「ある能力が突出してるなどの中途のとがったソトナカ人材を活かしきれていないのはもったいない」

「中途採用を積極的にやろうとしているのに、外に向けての公務の魅力発信が十分にできていない。国会業務で激務だ、といったネガティブなイメージばかりが目立ちがち。」

「もっと戦略的に中途採用をしたいが、人事担当の人数が少なく手が回っていないのが現実。ソトナカ人材のナレッジシェア、生え抜き人材との協働ができるとよい」

グループ内で話したことを全体にシェアする参加者

そして、記念撮影。

21時以降は、懇親会で参加者同士の交流を深めていただきました。

多くのメディアの方も取材にいらしていただき、霞が関の働き方への関心の高さを改めて感じました。これからもソトナカプロジェクトは、こうした交流会や勉強会を企画してまいります!

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