GREEN SPOONに入社した私の不格好マーケティング
はじめまして。
GREEN SPOONでマーケティングの責任者をしている、三原 壮太郎@mihara_gs と申します。
GREEN SPOONにジョインしてから、はや3年が経とうとしているのですが、今更ながら入社エントリぽいものを書いてみようと筆を執っています。
(”筆を執る” に憧れがあり、夢が1つ叶いました 嬉)
▼GREEN SPOONについてはこちら
大変有り難いことに、今ではブランドやサービス伸長の背景について取材やお問い合わせをいただく機会も増えてきたのですが、入社したばかりの頃は全く成果がだせず、正直なところ、毎日もがき苦しんでいました。
そんな自分がGREEN SPOONのマーケを立ち上げる中で青天の霹靂に近い学びや発見を得た結果、グロースの兆しが見えてきたので、脳内整理も兼ねてnoteに記していきたいと思います。
拙い文章ですが、読んでもらえるとうれしいです。
成果サマリ
現在のGREEN SPOONのマーケの状況として、分かりやすい実績は以下。
新規顧客の定期申込み数
- 前年同月比 513%
CPA(広告費用 ÷ 広告経由の新規顧客の定期申込み数)
- 前年同月比 64%
新規の顧客数を大幅に伸ばしながらも、CPAを下げることに成功し、事業的にも理想的な成果に。同月実績のYonYでみるとこういった伸び方でした。
この期間、TVCM等の大型のマス施策はやっていなく、シンプルにデジタル広告のみで伸長。
サイバーエージェントでの成功体験
それにしても僕のGREEN SPOONに来てからの戦績はひどい。世間様にここまでアホをさらけ出していいのだろうかと思うほど、ひどい。
特にGREEN SPOONに入社してからの2年間は地べたに這いつくばって、ほふく前進でなんとか前に進み続けてきた、そんな感覚である。
綺麗に伸びたグラフだけ見せて涼しい顔をすることもできたのだが、そんなキャラでもないため、これまでの経歴含めありのままの姿を届けようと思う。
サイバーエージェント時代の後半は、絶対に負けられない大きなコンペの時にだけアサインされる広告主のマーケ戦略を立案するプランニングチームに所属していた。当時メンバーは5人だけの超精鋭チーム。
約2000人弱いる広告代理店部門のうち、全10人もいない”エグゼクティブ”と呼ばれる職種のスゴイ人だけで構成されたチームだった。ちなみにそこに属していて、エグゼクティブ職でなかったのは僕だけ。なぜそこに入れたのか、今でも分からない。笑
年間のコンペ勝率 85%(?!!)を超えるレジェンド達の仕事ぶりを、一瞬たりとも見逃さない気概で、毎日ひっついて仕事をしていた。数年間そこで打席に立ち続け、戦略思考と資料作成による徹夜の日々を重ね、大型コンペの勝利や担当顧客の獲得広告予算を10倍以上の単月15億円まで伸ばしながらCPAを合わせるといった成功体験と自信をつけさせてもらった。
Webマーケの全てを理解し悟った気でいた僕は、サイバーエージェントの同期であり、筋トレ仲間だった田邊が立ち上げたGREEN SPOONに、2020年、マーケティング担当として入社することになる。
GREEN SPOONにて大苦戦
私が入社した時期は、「パーソナルスムージー」というGREEN SPOONとして初の商品が完成し、さあこれから販売開始するぞというタイミング。田邊含めた創業メンバーの3人がそれこそ死物狂いで完成させたこの商品は味も体験もクオリティがとても高く、本当に良いモノだった。
そしてその商品体験を支えるブランドのビジョンや思想は本当に彼らの生き様があらわれ言語化されたもので、嘘偽りなき魂が込められていた。彼らの熱い想いに痛いほどに共感・共鳴をしていた僕は、自分の果たすべき役割が分かっていた。
「必ずや爆発的にヒットさせて大成功をさせてみせる」僕は腕まくりをして鼻息を荒くし、その手腕を発揮する準備を進めていた。
完璧な戦略と万全な準備のもと、いざ勝負。
Web広告の配信を開始させると、購入はすぐに発生した。広告の管理画面を見ながら、おおっ!と声をあげ手応えを感じていた。が、そのキラキラした日々はたった数日で終わり、状況は一変した。
「購入はされるものの、規模の拡大ができない・・・」
サイバーエージェントでは戦略プランナーとして、広告主に調子よく提案しては、こうあるべきです!と高々に語っていた私が、いざ自分が広告主の立場となり、Webマーケの戦略をゼロから描き、実行してみると、全く商品が売れなかった。
それまで自分が信じてきた知識や経験が全然通用しない。現状分析をしてはあれこれ試すも、結果は変わらず…。何がダメなのか、どこを間違えてるのか、むしろ何が合っているのか、もはやそれすらも分からなくなっていた。信じていたコンパスが全く針路を示さず、光の届かない暗い森の中で一人彷徨ってしまった、そんな気持ちだった。
顧客不在の戦略
果たして、なにが問題だったのか。
結論からいうと、僕はGREEN SPOONの顧客が全く見えていなかった。
多くの会社や広告主で成果が出ていた手法論や流行りの事例にばかりに飛びつき、それをGREEN SPOONに無理やり当てはめようとしていた。” 戦略 ”と呼ぶには雑で乱暴すぎるが、言うならばそれは「顧客不在の戦略」。
GREEN SPOONというブランドの、冷凍スムージーやスープという商品で、誰に喜んでもらいたいのか、誰を幸せにしたいのか、どういった状況にいて、どんな悩みや不満、満たされないモヤモヤを抱えている人に寄り添いたいのか、まるでわかっていなかった。
そしてなにより厄介だったことは、「自分はわかっている」と思い込んでいたことだった。日に日に膨らむCPAと悪化していく数字たちを目の前に、現実を突きつけられ認めざる負えない状況になり、やっと気付けたように思える。
世の中のほぼすべての人が知っている「言うのとやるのでは大違い」という意味を30歳にして身を以て学んだ…。代理店や運用コンサルで身につけたスキルや癖は、事業リーダーとしては役に立たないことが多い。凝り固まった思考やこうあるべき論を必死にアンラーニング(学習消去)する毎日である。当時の自己認識の流れはこんな感じ。
1人の顧客に向きあい、深層心理を知る
大好きなGREEN SPOONという商品が、ブランドが、会社が、仲間との時間が、自分の力不足のせいで事業不成立となり、失くなってしまうかもしれないという不安と焦りでいっぱいだった。
ダサくてかっこ悪くて恥ずかしくて、逃げたくて逃げたくてどうしようもなかったけれど、GREEN SPOONの商品やサービスを喜んで使ってくれている人が少なからず周りにはいたし、なにより僕らの叶えたい想いや実現したい世界を終わらせたくなくて、不甲斐ない自分に悔しくて、寝れずに涙する日もあったけれど、そんな情けない自分と向き合ってはじめて、僕らが幸せにしたい、僕らが喜ばせたい顧客は誰なのか?に想いを馳せるようになった。
そうすると自然と、GREEN SPOONを使ってくれているお客様や友だち、家族に、どんな想いでGREEN SPOONを使ってくれているのか、その人達の生活の中でGREEN SPOONはどう役立っているのか、素直に話を聞きたくなった。
外部機関がまとめたN1000の一般的なアンケートデータではなく、1人1人の名前や顔、表情や仕草を見ながら、具体的な購入背景や使用状況を生の声で聞きたくなった僕は、顧客を知るために、1人ずつにN1インタビューの時間を頂けないか勝手なお願いと相談にまわるようになった。
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余談にはなるが、暗い森に迷い込んでしまった僕に、多忙であったにもかかわらず、インタビューに快く時間を割いてくれたお客様や友人知人には、本当に感謝の気持ちでいっぱいである。損得なしにGIVEができる人に、憧れやリスペクトの想いを持ち、GIVEこそが人生を何よりも豊かにするコトだと気付くきっかけになったのも、もしかしたらこの時からかもしれない。
(この辺りは代表田邊の言語化が分かりやすいので、こちらのnoteにて↓)
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今も尚、日々アップデート中ではあるが「顧客は誰なのか?」その輪郭が見えはじめた頃から、仮説の精度があがり、広告効果も大きく改善していった。
勿論これまでも、「狙いたいターゲットは誰なのか、その方のデモグラは●●●で、ペルソナは▲▲▲で〜」といったように人物像の仮説があり、チーム内で議論はしてきたが、ここの解像度は当時から大きく進化(深化)している。
特に何が磨かれたかというと、顧客と顧客の深層心理を知ることで、特定条件下における思考や行動の変化を理解することが、以前よりも上手になったと感じる。
同じ顧客(WHO)においても、前後の文脈や、置かれている状況に応じて、着目するブランドの側面(WHAT)が異なるため、お客様の状況にあわせ、GREEN SPOONの価値は何であるのか、伝える内容や届け方を変えていくイメージである。ブランドに対しての”解釈”を変えていくような営みになる。
具体的にどう変わったのか、簡単にまとめてみた。
おおきな「概念」の変化はこちら。
粒度はバラバラなのだが、あらゆる場面においても「顧客(WHO)が起点」であるという部分が伝われば、この表の役割は十分だ。
その上で、具体的に「顧客理解」をするためにやったことの詳細は、今回のnoteでは割愛するが、N1インタビューが何よりも大切だったことは自明である。
当たり前だが、N=多数の調査から得られる結果は、平均値であり、最大公約数でしかない。多くの顧客は購入に至る最初のきっかけや心理的な理由については、顧客自身が気付いていない、または認識していないもの。
だから量的調査による心理状態の把握には、限界がある。N1インタビューにより、購入に至る無意識下にある深層心理を、顧客1人1人と向き合い、紐解き深掘ることが重要になる。
あとはシンプルに、とにかく沢山、そこで生まれた仮説を試した。
バナーは2年間で1,000本以上を作って試したし、LPも新規で100本作った。細かいA/Bテストを入れると、LPの改修は300回以上だ。
その数の多さには、弊社CTOの平野も、このとおり興奮している。Slackでトピックスとして流しているあたり、とてもかわちい。
↓お互いに称え合っているあたり組織文化でちゃってて、うちゅくしい。
話は戻すが、実力不足で落ち込んでいた時、広告代理店サイドではなく、広告主サイドから見える景色はこんなにも違うのかと、そしてこんなにも通用しないものかと、想定をはるかに超える難易度に、ただただ自分の未熟さを感じていた。代理店とはなにが違うのか、その差分がわからずに頭を悩ます時期もあったけど、今になってわかる。
それは、マーケティングに対しての、業務範囲の広さの違いである。僕の代理店時代は、デジマ領域における最適化作業が大部分を占め、ブランドの顧客(エンドユーザー)と向き合うことはほとんどなかった。
それがGREEN SPOONに来てからは、前例もマニュアルもない中で ” 顧客にとって、GREEN SPOONというモノを、そのお客様の価値になるよう伝えて届けていく” ことが仕事であり、「ブランドに不足しているものは何か、どうすれば事業として成長させることができるのか」という大局観を養わないといけない。
いくらマーケティングの本を読んでも、”点”の知識が増えるだけで、それをどう自分の業務に結びつければよいのか、アクションとして再現すればよいのか、”線” としてどうつなげるかは、実際に広告主側で全体をやらないと身につかないものだと学んだ。
当時のサイバーエージェントのレジェンド達も、「顧客」を見ることの重要性は常日頃に言っていた。「顧客(広告主)の顧客(ユーザー)を見なさい」というセリフを何度も聞いてたことを、時間が経ってから思い出した。言葉としては触れていたが、自分がその重要性に気付けていなかった。
今ならレジェンド達と本質的な議論ができることももっともっとあるかもしれない。noteを書き終えたら、あの時の感謝を伝えると同時にまた飲みに連れてってもらおう 笑
ブレイクスルーの兆し
冒頭に紹介したこちらの実績は一時的なものではなく、今もなお効率改善をしながら顧客数を伸長中である。しっかりと再現性あるカタチで、僕らは成長をしている。それもすごい早さで。
そしていまGREEN SPOONはさらなるグロースの可能性を秘めた、大きな大きな仕込みをしている。年内6月にリリース予定のためもう発表間近だ。
顧客にとって、新しいGREEN SPOONというブランドをどう再解釈して頂くか、マーケターとしての腕が試される場面でもある。
ただ何より仕込み中のものが、お客様が喜んでくれるだろうなと想像がつく内容とクオリティのため、早くこのワクワクをみんなと共有したい気持ちが強い。GREEN SPOONに入ってからというものずっとワクワクしてる気がする。代表田邊のこの表現が個人的にとても好きなので、ここに残しておく。
さて、このnoteを読んでいただいた方で、
GREEN SPOONに興味を持っていただいた方!
僕らと一緒にワクワクするような人生を送りませんか?
実はGREEN SPOONには正社員のマーケターは僕1人しかいません。
マーケティングを一緒にやる人、めちゃくちゃ募集してます!
お客様が驚き、喜ぶような本当にワクワクするような仕掛けを沢山していきたいのですが、そのためにはもっともっと仲間が必要です。
コトに熱狂し、想いに溢れた頼もしいメンバーがGREEN SPOONには揃っています。本当に心から熱狂できる環境がここにあると胸を張ってお伝えできるので、少しでも興味のある方は、ぜひお話しする機会をいただけると嬉しいです。TwitterやFacebookでの連絡も大歓迎です!
ゆるいマーケ談義でも、このnoteへの感想でも、お茶でもランチでもモーニングでも全部大歓迎なので、本当にお気軽にお声がけください^^
ぜひお待ちしています!
▼採用ポジション
採用の詳しい内容は、Wantedlyに載せていますので、覗いてみてください!
1.マーケティング責任者
2.コミュニケーションデザイナー
3.製造・物流の幹部候補
▼Twitter
こちらからDMでもウェルカムです!
素人の駄文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
貴重な時間を頂戴しました。少しでもあなたにとって、参考になる話があったならば、とても嬉しいです!
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