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回旋動作を考える Part3

「回旋動作を考える」今回はPart3です。回旋についてはかなり奥が深いのでこのシリーズ長くなるかもしれません。

股関節の内外旋

股関節の内外旋は回旋動作における貢献度が非常に高い動作です。

股関節の参考可動域は内旋外旋ともに45度。

ちなみに、脊柱の回旋可動域は下記の通り。

頚椎45〜50度

胸椎30〜35度

腰椎5〜15度

「腰を回す」という表現が用いられることが多いですが、腰椎の回旋可動域は実はかなり狭いのです。実際は「腰の位置を回す」というのが正確な表現でしょう。前回取り上げた胸椎はもちろんのこと、効率的に力を伝えるために、回旋という動作において脊柱だけを回しても大きな力は生まれにくく、股関節の貢献は非常に大きいものです。

誤解も多い内旋、外旋

股関節の内旋外旋は内転外転と混同されやすいので動きの確認をしましょう。

股関節からパタパタと倒します。股関節における内旋外旋は捻る動き。

足の付け根、太腿を内側に捻るのが内旋。外側に捻るのか外旋。

内転外転はパカパカと太腿を閉じたり開いたりです。股関節の内旋外旋はクルクル回る動き。仰向けで寝た時に足の付け根を軸にパタパタと倒す動きです。認識している人でも実動作やトレーニングでは混同する事が多いものです。なので簡単なものからしっかり動きを落とし込んでいきましょう。

カラダを割る

ヒップローテーション

内旋可動域を広げるストレッチ。股関節からパタパタと倒します。捻る動きを行います。内旋と外旋の動きを確認しましょう。

股関節を回旋させます。膝を内に倒す際、尻が浮かないようにしましょう。体重を内旋側に移します。

股関節の内旋や外旋は軸のコントロールや体幹の働きにも影響します。

並列で動かさず、ドミノ倒しのように順に力を伝えていく。そのためにはカラダを割る(分割する)意識が非常に重要。どこを支点に動かすか。そのひとつとなるのは股関節です。

体幹部が左に回旋するなら左の股関節は内旋する事で壁が作れてカラダを割ることができます。

股関節の内旋を意識したシングルレッグデッドリフト

バイラテラルのエクササイズ(両足がおなじ動きをするエクササイズ)と片足で行う場合では、使われる筋肉も変化します。つまり両足を並行にして行われるスクワットなどのみでは不完全ということです。ということでシングルレッグデッドリフトのような片足ずつにアプローチするエクササイズも取り入れていく必要があります。

中殿筋全体の機能は股関節の外転・内旋に作用します。解剖学的に前部線維は外転・屈曲・内旋、中部線維は外転、後部線維は外 転・伸展・外旋に作用し、中殿筋各線維間に異なった作用を有していると報告されてます。

片足で回旋を伴う場合、股関節は外転方向への筋力発揮も強くなります。
外転方向への負荷が加わる事で中殿筋の関与が大きくなります。

遊脚側も内旋をすることで安定します。ニーインに気をつけましょう。

ポイントとして、

・骨盤が横にスライドしない(スウェーを防ぐ)

・腓骨筋や脛の筋肉を効かせて足底の接地面をコントロールする

・軸が腰椎にならないように腹圧を高める

・胸椎の回旋も意識する

上記のエクササイズにおいて体重を股関節に上手くのせることができない、しゃがみにくい、足がスムーズに動かない等は股関節の内旋可動域の制限が原因かもしれません。

内旋可動域を広げるストレッチ

股関節外旋筋が硬いと内旋に問題が生じる?

膝倒す(数パターン)

クラムシェルのバリエーション

クラムシェルのトップから股関節の内旋をプラスします。クラムシェルと組みあわせてもいいですし、内旋だけ行うのもいいでしょう。

外転プラス内旋

内旋位で股関節の外転を行います。外旋時と関与する筋肉が変化します。

スーパーループを使用したストレッチ

スーパーループの張力を利用してストレッチを行います。可動域の向上を実感できるのでオススメ。

これらで内旋動作が改善しやすくなるでしょう。

テスト&トレーニング

内旋を意識したスプリットスクワット

どちらの足も内旋させて行います。股関節を内旋を意識して行う時とそうでない時の違いを感じてみましょう。

内旋を意識する事で安定感が高まるかと思います。

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