「何者か」を知る 山崎圭一著「一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書」

三十代も半ばを過ぎ、自分が何者なのだろうということへの興味が高まる。そんなことをぼんやり考える中では、自分が日本人であることは避けて通れない。そうすると、日本の歴史を知りたくなり、手に取ったのがこの本である。

日本史を生徒に教える人は、戦争のことに特別な思いがあると思う。中学校の時の先生は、自衛隊の是非を気色ばんで語っていた。本書でも第九章の最終ページからは思いの強さを感じた。ぜひ一読してほしい。

さて、日本とは島国であり、山だらけで住めるところが少ない。その結果、土地は一番重要なものであり、みんなで協力して作るお米はお金そのものである。コミュニティの中では楽しくやれるが、海外など外部の方々には怖さを持つ。災害が多く、仏教に心の安寧を求める。それが脈々と歴史を紡いできた日本だった。振り返ると小さい頃から広い家に憧れ、ご飯を残すと目が潰れると躾けられ、内弁慶で、何かあるたびにお参りをしてきた自分は日本人そのものだった。

そんな純日本人を自認する私は、お金そのものであるお米をもっと堪能したい、すなわち日本酒を飲めるようになりたいと思っている。ビールばかり飲んできたが、日本人の体には日本酒がきっと体に一番しっくり来るのだろう。

こう振り返ると、自分探し、日本を知りたい、日本酒を楽しみたい、と言うのは、子どもの頃に強く憧れた中田英寿さんをなぞっているようだ。子供の頃は、あまりにかっこいい彼の真似ばかりしていたが、意識して真似などしなくても行動を一にする今は、ほんの少しだけでも彼に近づけたようで嬉しい気持ちになるのである。

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