見出し画像

印刷業界で、利益を残す仕事

こんばんは、sosekiです。

私は今、印刷業界に居ます。そこでアートディレクターとして働いていますが、業界は色々な暗い話が飛び交います。

コロナ禍で事業者数の減少、材料費の高騰、ブラック体質が前提となった収益構造に対しての、若者の低い定着率。

一般に斜陽の産業と思われる印刷業界で、私は「利益獲得」を第1のテーマにして制作業務に携わっています。

印刷業界では、やはり出荷額は年々減少しており、1年あたり数千億円程度ずつ減っている印象です。ただ、事業者あたりの出荷額、一人当たりの出荷額と、単位が小さくなるほどに実は「出荷額が下がっていない」というデータがあります。(日本印刷技術協会JAGATのデータより)

これは裏返すと、出荷額の減少よりも、事業者数の減少のほうが多く、生き残った会社に仕事が集約されている様相を示しています。つまり、生き残らないといけない…のは当たり前ですが、生き残りさえすれば、しばらくは比較的安定的な状況を確保できます。

そのためには売上を確保し資金を集める必要がありますが、それだけでは未来はありません。やはり利益を得て、何かに投資しなければなりません。

印刷会社における利益は、用紙代と制作の取扱高に掛かっています。ただ、印刷するのではなく、付加価値の高い仕事をして、その価値に対して対価を得る、ということです。

まさに私が携わっている「デザイン」は、付加価値そのものです。

残念ながら古い印刷会社の仕事の仕方では、デザインは営業活動における「サービス」のような位置づけが多く、印刷させてくれる代わりに安価でデザインしてあげるよ、みたいな風潮が今でも残っています。

しかし本来、デザインはモノやコトの価値を飾り、ブランドとして醸成させることでお客様自身の価値を高めるための重要なアートなはず。それはイチ印刷物であっても同じです。だから、私は課員たちに、とにかく価値を練りだすことをお願いしています。そうすることで、オンリーワンな仕事、しかもお客様が「投資する価値がある」と思える仕事ができるからです。そこで会社としての利益に貢献し、新たな市場開拓へ投資できるよう、繋ぎの役割を担うことを目標・目的として働いています。

毎日、脳みそをフル回転させながら、必死に無から有を生み出す。デザイナーという仕事はとても大変ですが、いつしか、そこから得られる経験値は絶対に負けない、自分自身にとっての価値になっています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?