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モロッコのハラールサラミ<夫婦世界一周紀80日目>

マラケシュに到着したら、ほとんどモロッコは終わりという気持ちだった。メルズーガ・サハラのいい思い出だけを抱えてアメリカに発ちたい。ところが、部屋で1日のんびりするつもりが、財布を開けるとお金が一銭もなかった。仕方なしに3キロ離れたショッピングモールへと足を運んだ。

そこで出くわしたのが、ハラールサラミだった。

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見た目はスペインで見た白カビサラミとそっくり。でも、イスラム圏なので当然豚は使わない。何を使っているの?と聞くと、お姉さんがチキンだよと答えた。モロッコの物価から考えるとかなり高価だけど、ここで買わない手はない。大好きなチョリソーとともに購入。

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宿でノンアルのカクテルを飲みながらかじると、それはほとんどサラミだった。若干スパイスが強いのと、脂肪分が足りないことによるパサつきはあるけれど、噛めば噛むほど味が出て美味い。

モロッコは美味しい国だった。タジンも果物もパンも、そしてサラミも。思ったより物価は高かったけれど、ひょっとしたら旅中の食事の中でも3本指に入るかも。人はちょっとおっかないしサソリも怖いが、素敵な国だ。

「今度は大きなじゅうたんと、特大のアンモナイトを持って帰ろうね」

フウロが笑った。オットマンには、次きた時にはベルベル人のテントに泊めてやると言われたのだ。

ポルトガルの方がまた行くイメージが湧くけれど、モロッコも捨てがたい。僕たちにはまだ未来があって、時間もあって、なんでもできるのだ。

日没を告げるアザーンが流れた。

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外に出ることが出来ない今、旅をできること自体に価値が生まれつつあります。僕たちが見てまわった世界はもうないかもしれないけれど、僕らが家にいる時にも世界は存在していて、今日もトゥヴァだってニウエだってある。いつか全てが終わった時に、あそこに行きたいと思ってくれる人が一人でも増えたらいいなと思って、価格を改訂しました。 無料で公開したかったのですが有料マガジンを変更することが出来なかったので、最安値の100円に設定しています。

2018年8月19日から12月9日までの114日間。 5大陸11カ国を巡る夫婦世界一周旅行。 その日、何を思っていたかを一年後に毎日連載し…

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