東京ニューシティ管弦楽団 第141回定期演奏会

東京ニューシティ管弦楽団のコンサートに行くのは2回目、福間洸太朗さんのピアノを聴くのは3回目になる。

会場は東京芸術劇場。
個人的には約5年振り?2回目だ。

初めて東京芸術劇場に行ったのは、就任直前か直後のマイスター指揮、読売交響楽団の演奏会で、詩人と農夫の序曲、プロコフィエフのピアノ協奏曲2番、田園だった。
プロコフィエフで独奏を務めたダニール・トリフォノフを目当てに行ったが、席が悪く、余り音が飛んでこず、田園もぼんやり、詩人と農夫の遠藤真理さんの素晴らしいチェロソロだけが印象に残った演奏会だった。

あまり良い印象がなかった会場だが、いい席だといい響きに思えた(当たり前ですか)。

本日のプログラムはラヴェルの左手のためのコンチェルト、ト長調のコンチェルト、幻想交響曲である。
指揮は飯森範親さん。

左手が白眉!
福間さんは所謂“決め”を絶対に外さない。
唖然とするほどよく弾かれる。
高速パッセージでも音色感が失われず、ペダルのコントロールも繊細で魅了される。

オーケストラは少し重く、ぼやけてなんとなくな演奏に聞こえた。

しかしファンタジーに溢れた素晴らしい曲。
曲が素晴らしいと思うのは演奏が素晴らしいからだなと感謝する。

左手は古い安川加壽子さんの録音しかこれといった録音を聴いていないので、もっと聞き比べてみたい。
(変わったところでは天野正道さん編曲の吹奏楽版を聴いたことがある)

二つラヴェルを弾き終えての福間さんのアンコールはゴトフスキー編曲の白鳥(サンサーンス)。
これも絶品だった。
丁寧に素晴らしいコントロールで弾かれると、超絶技巧作品としてではなく、純粋な美しさに浸れる。
素晴らしかった。

ここから先は

601字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?