人新世の「資本論」を読みました。

お久しぶりです。

noteを書くことをしばらくサボっていたので、その間に読んだ本の感想について書こうと思います。ゼミの課題図書として読んだため、普段なら読まない本だったのですが、これが衝撃的でした。

その本とは、斎藤幸平さん著の『人新世の「資本論」』です。

私にとって何が衝撃だったかと言うと、資本主義に対して疑問を呈している点です。

この本は2020年の9月に発行されたもので(私がこのnoteを書いている今は、2021年5月です)、意外と最近の本なのですが、割と昔から”ポスト資本主義”に関する話はあったようです。

しかし、生まれた頃から「資本主義こそが最適な経済体制で、ソ連をはじめとする社会主義国は停滞して没落していった」と学校で教えられていた私にとって、本当に衝撃的な内容でした。

この本を読んだ後に、資本主義について気になり、関連する本を何冊か買ってしまったほどです。

私の感想も含めて、この本がどんな本か少し説明します。

まず、聞き馴染みのない「人新世」とは何のことなのか気になりますよね。

斎藤さんの言葉を引用させていただくと「地質学の用語で、人間の経済活動の痕跡が地球上を覆った状態を指します」ということだそうです。

あちこちに道路や線路が敷設され、森林は伐採されて家が作られ、さらに海に目を向けてみるとプラスチックのゴミが浮遊していて、、、

というような状態を指す言葉ですね。

現在がこういった時代であるということを前提にして、斎藤さんは「資本主義を止め、パラダイムシフトをしなければ人間は生存することはできない」と訴えています。

人新世の時代は、環境が大きく破壊されている時代で、異常気象が頻発しています。私たちはすでに、元には戻れないほど環境を破壊してしまっており、今行動を起こさなければ人間は滅びてしまうだろうと、斎藤さんは言います。

そして環境破壊を止めるためには、資源を使い尽くし、永遠の拡大を志向する資本主義を止めなければならない、というのです。

なるほど。資本主義は経済を永遠に拡大していくことが目的であると。確かに現代はモノやサービスで溢れ、豊かな社会が実現されたと言われている一方で、次々に新しい製品やサービスが生み出され、目まぐるしく商品が入れ替わり続けています。

私たち消費者は、新たな製品が登場してYouTubeやInstagramで宣伝されるたび、「これほしい」「あれほしい」と、無尽蔵な物欲を掻き立てられます。

いつまで経っても欲しいモノで溢れており、それを買うためにいつでもお金を欲しています。

確かに、資本主義は永遠に拡大しようとしているのかもしれない、、

と実体験からも思ってしまいますよね。

さらに、環境破壊による異常気象もほとんどの人が体験しているはずです。年々、破壊力を増す台風や、真夏日の増加など、すでに多くの被害が出ております。

この永遠と続くかのような新商品の登場と環境破壊には、やはり関連があるでしょう。ものを作る際には、さまざまな資源、エネルギーを使うのですから当然ですよね。

このままでは人間は生存できなくなってしまう。だからこそ資本主義を止め「脱成長」路線に進まなければならないと斎藤さんは訴えるのです。

どうやって資本主義から体制を変えていくのか、という点についてはまだ理解しきれなかったものの、斎藤さんの考えに説得させられきってしまいました。

環境問題に限らず格差の問題も、資本主義による部分が大きいですよね。富める者はどんどん富を増やし、貧しい者はなかなか豊かになれないというシステムになっています。こんなに科学技術が発展し、もので溢れているのに、貧困が問題になるっておかしいですよね、、

私はまだまだ知識が無いので、わからないことだらけですが、斎藤さんの語る「ポスト資本主義」の世界は、持続可能性もあり、格差も減っており、すごく理想的だなと思いました。

もっと勉強します。


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