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メンタルクリニックで言い当てられたこと。メンタル不調の原因と対処法を探る記録3

記録2に続いて、メンタルクリニックを受診したときの診察の流れと、診断に近い説明の内容を書き残す。

診察の流れ

 事前に書いていた問診票に基づく詳細のヒアリングが40分ほどあり、それから先生の「診断に近い説明」が25-30分ほどあった。

先生は前段にも書いたように「優しさ」と「易しさ」を意識した言葉選びや話し方をされていて、ヒアリング時に自分の話もしやすかったし、説明時の先生の話もとても理解しやすかった。

 そして今時点で診断名が何か言い渡されているわけではないので「診断に近い説明」としているが、この説明は「思考について」と「症状について」の2つに分けられた。

(これも先生が「これからーーさんの思考のことについて話をしますね」とか「次は症状の話をしますね」とか話の構成を前置きされていたので分かりやすかった)


診断に近い説明1:思考について

先生は「こんな風に...」と絵を描きながら説明してくださった。

※先生の描いた絵を私が写したもの

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説明されたのは、完璧主義がゆえに「白黒思考(二極化思考ともいう)が染みついている」ということだった。いわゆる、100%でなければ全て「ダメ」と思い込んでしまうこと。目指す地点までのチェックポイントが、たとえひとつの過程だったとしても「ダメ」と判定することでモチベーションを無くしてしまいがち(落ち込みがち)でもある。


これは、私がとある書籍(記録2参照)で見つけて「自分はこれかもしれない」と思った症例に含まれる思考と同じ内容の指摘だった。

そもそも書籍で見た症例に詳しいと思われる先生を探して受診しているので、その通りの指摘をされるのも尤もかもしれないが、内心言い当てられた気持ちでもあった。ただこの思考も症例の一部なので、まだ深掘りが必要な段階とも思っている。(そのため推測する病名や参考書籍は今は書かない)


 ものごとの完璧、100%というのは至極相対的な評価であって、自分で何を100%とするかというゴールの置き場所にもよれば、誰かが完成と言えば完成になるという他人の評価によっても変わる概念である。

同じ分量の水が入っていても、容器によって多く見えたり少なく見えたりするように。

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それをもちろん頭では分かっているし、私が四六時中何においても完璧主義とも限らないのだが、

私は特に仕事において自分を評価する人(上司や目上の人)を特に気にしてしまう特徴があった。(......と先生に言われて気付き、心底納得した)

なぜかというと今年の2回の不調時、どちらも仕事の中では自分で担当していた大きめの課題があり、なかなか上司のGO出しまで持っていけず悶々としていた。そして2018年にも上司からの言葉を辛辣に感じたストレスが元で一度メンタルクリニックを受診している。

ここから先生の説明を元に、仕事における自分の思考を自分で分解考察してみた。

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仕事においては何かの100%に対して全員で同じ目線を据えることはよくある(事業の数値目標とその行動計画など)が、そういった目標や課題を解決するアウトプットが必要なときに、私はその構成内容や過程ひとつひとつを考え抜いた上で計画しないと不安になる。

なぜ不安になるのかというと、そのアウトプットに欠けがあったときに指摘されるのをひどく恐れるからだった。

そしてなぜひどく恐れるのかというと、アウトプットの欠け=自身の欠点(考えてきれていない、思考力がない)と捉えるからだった。

さらに、上司に何かをチェックしてもらうという構図で指摘があると、特に「私には思考できたが、貴方には思考できていなかったことです」と暗に言われているような気がしてしまい、指摘してくる上司と比較して自分のダメさを感じやすい。

上司からのフィードバックをそういう風に受け止めるので、もう2度と自分の欠点を指摘されて恥ずかしい思いをしたくない、と強く思ってしまうのだった。その思いを逆手にとって行動モチベーションにすれば良いのだが、もうそんな自分は考えてもダメだ。というところに回帰して完全に自信を失い思考停止してしまうようだった。


 ただし、これも全ての上下関係に当てはまるのではなく、距離感がある程度近いとか、コミュニケーションを取りやすい関係にある上司には過度な不安は感じない。

2ステップほど上の人だったり、非常にロジカルに返してくる人だったり、成したことを認める前に指摘から入る人だったりには特に弱い。つまり相手の言い方や空気感から敏感に感じとってしまいがちなのではないか...。

と自分の考察でも、この思考が最終的に病名がつくほどの何かではなくただの仕事限定のトラウマの問題な気もしていて、まだ分からない。

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 ただ、気分が深く落ち込む時は、いったん落ち込むと仕事以外のいろいろなことも何もかもダメだと思い始め、そんな自分を「くそ」「しね」と罵る言葉が脳内に現れて沼にズブズブ沈む感覚に陥る。

そういう点で私の白黒思考は良くない方向に強いのではという自覚はある。

ともかく不調の要因がひとつではない可能性もあるので、今度先生と話す中で考察していく。


診断に近い説明2:症状について

事前に書いた身体的症状チェック表の中で先生が気になった点は、睡眠の部分だった。

「寝付くのに30分以上かかる」という項目にチェックを入れていたが、これは実際のところ「寝付くまでが長めで、30分ほどかかる日が月の半分くらいある」という感覚が何年か続いていたので、自分の体質のせいなのだと思い込んでいた。そうではなかったらしい。

先「何時間ぐらい寝ていますか?」

私「8時間くらい...8時間以上寝ないと気持ち悪いし、寝起きはどちらにしてもあまり良くないです」

先「深い睡眠に入るのに時間がかかって、目覚めが遅くなってしまうのかもしれませんね」

睡眠サイクルには深い「ノンレム睡眠」と浅い「レム睡眠」があり、2つを90分周期で繰り返し、その深さは周期ごとにだんだん浅くなっていく。早めにノンレム睡眠に入り、レム睡眠のタイミングあたりに起きることができれば目覚めは良いという。

※これも先生が絵にされていたものの書き写し

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その中で私は寝つきが遅く、ノンレム睡眠に入るまでに30分以上かかり、本当は7.5時間(90分×5周期)でちょうど起きられるところが8時間以上かかっているのかもしれない、という意味だ。

先「夢は見ますか?」

私「それほど...見ないですね」

例えばうつの症状としては「眠りが浅い≒夢を見がち」「早く目覚めてしまう」などのほうに該当しがちなのだが、私はそうではないので睡眠はあまり問題ないと思っていた。

ただ30分以上眠れないのと併せて、落ち込みの深いときは考え事を始めて涙が吹き出してさらに眠れないサイクルになることがよくあるので、これをなくして考え事をせずなるべくスムーズに入眠できるようにしたいとは思っていた。

先生はなるべく薬に依存しないような対処法を検討されていたが、その上で今回、睡眠の質改善に作用する漢方薬は処方してもらった。

提案されたとき、飲むかどうか迷ったが(自分が定期的に飲むことが苦手かつ薬にお金をあまり使いたくなかったので)先生は作用について本を取り出して丁寧に説明してくださった。そしてこの薬が依存するものではないということも強調されていた。

私「どれくらいの期間飲むものなんですか?」

先「人によりますが2週間、長くて3ヶ月とか、そのあたりで『今日はもういいかな』と思うときが来ます。そうなるとやめても良いということです。絶対に飲まないといけないわけでもないので。効果があるので飲み続けますが、もうなくても体が大丈夫そうと感じれば、飲み忘れること自体良い印です」

この説明が本当にそうなのかは飲んでみないと分からないと思ったが、漢方であることと飲み忘れても大丈夫という点で試すことにした。

(睡眠についてはまた経過を書こうと思う)


PMDD(月経前不快気分障害)の可能性は?

これにについては質問して、先生の見解を聞いた。

私「PMDDの可能性もあると思っているのですが...不調時の2回とも月経周期と近かった気がするので」

先「落ち込みがあったときには、月経はどの時期でしたか?」

私「1月のときには落ち込みの4-5日後に生理が始まって、2月は生理開始当日でした」

先「うーんそれだと、PMDDが原因であると必ずしも言えないですね。PMDDは月経前の黄体期に起こるものなので、少しずれていますね。ただ、その時に落ち込みが増幅してしまうということはあると思います。」

つまり心療内科の先生の視点では、先ほどの強い二極化思考による落ち込み要因がベースとしてあり、その上にPMDDも落ち込みの増幅要因としてあるかもしれない。という見方だった。


個人的には、PMDDであれば分かりやすいが治療がとても面倒(薬の厳密な服用管理が必要)なので、そう断定されるのを望んではいない。

逆に、思考の悪い面を鎮めることによって日頃から生きやすくなるなら、そのほうが長い目で見て良いと思っているので、次回以降の受診で見極めていくつもりだ。


ストレスチェックの結果を見て

労働者が50人以上いる事業所では法律で義務付けられ定期的に実施される「ストレスチェック」。この結果も持参するように言われていた。

ストレスチェックの結果を見て先生は、「ストレス要因が薄くてもストレス反応が高い人は考え込みがちな人なんです」と言った。

参考までに:

ストレス要因・・・「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「仕事の内容は自分にあっている」などの質問に「そうだ/まあそうだ/ややちがう/ちがう」の選択をしたもので測定
ストレス反応・・・最近1ヶ月のあなたの状態について「元気いっぱいだ」「悲しい」などの指標に「ほとんどなかった/ときどきあった/
しばしばあった/ほとんどいつもあった」の選択をしたもので測定
ストレス要因・ストレス反応ともう一つ「周囲のサポート」という指標と合わせた3つの項目から、本人のストレスの程度を判定する。

 私は2月にこのチェックを受けて、その通りストレス要因は「普通」で、ストレス反応は「高い」結果だったのだが、これを受けたときに「なんだこの質問」と思った。だって「仕事の内容は自分にあっている」かどうかなんか分からんし、合っていると思って転職して今よく分からん状態なわけで。などなど考えると「まあそうだ」とか「ややちがう」とか中間の選択肢かできんやろと。意味なくないこのチェック?と思っていた。

 しかし、先生は「こういった方は高ストレス者に該当しないという結果が出ていても面談にお呼びすることがあります」とも言っていた。(先生は産業医もされている)


1回目の診察を終えて

初診から診断名をつけられることはなかったが、初診で簡単に病名をつけて抗うつ剤を出し、依存させてしまうリスクを考慮しない病院もあると聞いたので、むしろ信頼のおけるクリニックではないかと感じた。

ただ受診してからこれを投稿するまでの間も毎日調子に違いはあるので、まだ拠り所のなさは感じている。

次の診察で先生との会話を通してまた少し開ける何かがあればと思う。

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