空色ジプシー/旅と料理と××と

旅と美食巡りがすき。巡った先々で出会う人とキッチンに立ち、食卓を囲む時間もすき。 10…

空色ジプシー/旅と料理と××と

旅と美食巡りがすき。巡った先々で出会う人とキッチンに立ち、食卓を囲む時間もすき。 10年以上お付き合いしている病気について問い合わせが増えたので、旅と食を楽しむ中で気がついた人生観や、私なりの付き合い方をゆるく情報発信。少ない体験談収集の役に立てたら嬉しい限り。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

私を救ってくれたのは、ベジタリアンが当たり前の世界

摂食障害になったのは、高校1年の夏だった。 水以外を受け入れられなくなって、3か月で10キロ痩せた。半年後には30キロを切り、25キロも目前となった。 今年わたしは20代最後の年を迎えている。あんな日々が10年以上も前のこととなった。29歳の誕生日を想像することなどできなかったあの頃の私へ。そして、現在進行形で苦しむ誰かへ。 これは、今、かつて普通と思っていた生活を送りたくてもできない人への備忘録。 私が知らない、当たり前の世界今日はベジタリアンが身近にいる環境に

    • 安定した道を選ぼうとしない事に、不安ばかり抱いていては先に進めない。

      つい最近、母からもらった言葉である。 ようやく、この言葉を受け取れた。アジア・欧米を周って帰ってきた頃、つまり7年前からずっと訴えかけてきた私の生き方・目指す方向について、やっと、受け入れられつつあるのだ、と目頭が熱くなる。 私には、そもそも安定という言葉の定義がわからなかった。 偏差値の高い高校/大学を出て、大きな企業に勤める。それが世にいう、ある一定期間までの成功した人生である社会通念があることは理解していた。わたしも途中までは、手っ取り早いから目指していたわけだし

      • 日暮里コンコースのパン屋でクイニーアマンを見て思わず涙腺が緩んだお話。

        パンを食べられるようになった。 一般的に、「パン」を食べられるように「なる」なんて表現はあまり聞かないのも重々承知しているので、「はあ、、?」という胸の内が勝手に聞こえてきたりする。 だけど私にとって、ここ日本においてこの割と当たり前に普及している食べ物を口にすることが、この十数年はほぼなかったのである。 そして私にとって特に大きいのは、「食べる」ではなくて、「食べられる」ということ。この2~3年の間に、「食べる」ことならどのジャンルにおいてもできるようになった。 勝

        • この青を呑みたい

          響き渡るは 押しては返す 君の泣き音か 歌っては叫ぶ 私の心か この孤独を抱いて、青に溺れたい。 美しい空と海とその先へ。 この孤独と共に、青を呑みたい。 哀しい空と海とその未来までをも。

        • 固定された記事

        私を救ってくれたのは、ベジタリアンが当たり前の世界

        マガジン

        • 摂食障害者のいま過去ミライ
          4本
        • 私の青を返せ
          2本

        記事

          私の青を返せ

          ぽつり見上げた空。  はたと立ち止まり。 青と白に吸い込まれ、赤と黒とを吐き出して、 私はここで生きている。 どういう訳か。どうにかして。 いつか夢見た空飛ぶ私を想いに浮かべて。

          歯がなくなろうとも、わたしはまだ生きていく。

          歯が泣いた。前歯から聞こえる奇妙な音。 違和感に包まれる中、鏡から突きつけられる"歯が折れた"という現実に思わず涙が溢れた。 見た目は障害レッテルを貼られることはなくなり、皮肉にも健康と呼ばれた20歳の頃。 まだ、普通に食べる食事を1日1回できるかできないか、なかなか飲み込むことができない時。 勢いだけ良くかき込む最中、一緒に箸も噛んでしまったようだった。 一つひびが入ると、次々に上前歯の6本すべてが差し歯となった。 わたしも泣いた。かなり泣いた。 一生付き合うことを

          歯がなくなろうとも、わたしはまだ生きていく。

          障害と生きる君に、ひとつ伝えられる希望のお話

          気づけば赤だった。 いつから変わっていたのだろう。 ついの今まで、広がる世界は綺麗に澄んだ青色で。何の疑いも持たずに前へと進んできてたのに。 ある時から突然、世界が変わった。 得意なことが、苦手なことへ。 好きなものが、怖いものへ。 当たり前が、稀少な出来事へ。 何かしらの障害を抱えて生きている(と認知している)私たちは、きっと沢山のことを諦めて、悔しい思いをしてきている。 きっと沢山の恐怖に怯えて、先など見えない時間に溺れているかもしれない。 だけどその中

          障害と生きる君に、ひとつ伝えられる希望のお話