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過去から未来に受け継がれたもの

今日は連番の日です、そう、shortshortの日。

ただ、土曜から夫が風邪なのか鼻水が出てだるいといいだし、日曜から家の中では強制隔離、月曜日は休んでいる関係で娘も強制的な休み、火曜日は直ったもののそれで後ろ倒しになっていたものを復帰。
な中で自分との約束(期待して読んでくれている方はどれだけいるのかわからないのでとりあえずそうしておくけれど)を守れるのかという問題も途中まで書いて時間切れ。簡単に折れました。
すみません2日休んだ説明です。(言い訳みたいでこの流れは本当嫌いですが・・)

この話はまた明日以降。

というのも本日はshortshortの回。少なくてもやっぱり1時間ちょっとはかかったshortshortいってみます。

ちなみにこのshortshortはそれぞれのシーンは別で続きものではないですが、登場人物や設定は同じものにする予定の少し変わった連番short。(そうだから連番、このお話は前回,22を見てみてくださいね)

過去から未来に受け継がれたもの

夜になって、横になりながら私はナルのシェルターから見える夜空を見ながら考えていた。シェルターからとはいえナルで夜空が見られるなんて。
安全で、快適な生活だと思っていたヘブンはなんだったんだろう・・。
まあ私は快適とは思ってはいなかったけれど。

私はクウと旅をする中でずっと考えていたことを思い出した。
私は、私たち人類は何を過去から受け継がれたのだろうと。

クウはそういう意味では私が曽祖母の前から引き継がれたものの一つだ。お世話型のお友達AIはもう数は本当に少なくなっていて、ものをずっと大切に使ってきていた我が家だから残っている様な珍しいものだ。

その昔に、ナルで子供が今よりもっと少なくなった時期に同世代の子がいないと発達に問題が出るということで作られたAIだそうだ。
ナブンよりナルの方が環境が悪かったので余計に子供が少なかったのだ。
その後ナブンでも多少お世話型のお友達AIは作られたけれど残っている数は少ない。
昔のものではあるけれど今のAIほど色々搭載されていないシンプルな作り。
だからか私はクウは人間に近いと思っている。感情やそういうものがちょっと鬱陶しいくらいに人間っぽい。
その割に壊れても簡単に引き継ぎができるので知識の蓄積が1つの媒体にされていて賢くなるっていうちょっと人間が行っていることに対して皮肉さえ感じるクウ。
きっとそんな話をAI庁にしたらクウが実験対象になってしまうからいわないけれど、間違えなく人間が多くを与えたAIよりも多くのものを持っていると思う。

そんなクウをものとしては間違えなく私は引き継いでいる。
でもそれは「もの」だ。
ものというのは少し違うかもしれない。友達の様に大切で家族の様に思っているけれど、それは形あるもので概念とかそういうものではないという意味でやっぱりクウはクウだ。
私は何を学習してきたのだろう。人類の学びの何を引き継いでいるのだろう。

彼は、

クウは性別をつけるのを嫌うけれど、私は彼だと思っているのだけれど

確実に色々なことを過去から引き継いできていて、理論的におかしいことをや知識的に知っていることを私に指摘したり教えてくれる。
であるならば、私たちは人間は?
その昔、学者たちがA Iなどを使って出していた未来予想図の通りにきて、一体何を学んで生かしてきて、生かせるのだろう。

しかも人類はかたや安全とされる空気と水が作り出されるナブンとそれを供給されるナルに分離され、行き来がなくなってきている。その追い詰められた空間のなかでナルは破壊されきった地球を少しでも回復させる方向へと向かっている。
しかし、それさえも政治的な取引として、共有されていない。
人はどこまで学ばないのだろう・・。

私はナルとナブンの両方の祖先を持つ。
だから何か架け橋ができないのか、少なくなってしまった人類と疲れ切った地球が共存していく方法を模索していたし、だからナルにきたのに・・。
ナブンの人間もナルの人間も結局のところ自分たちのことしか考えていないってことか。

そんなことを思いながら夜空を眺めているとクウの起動音が聞こえる。

「起きてますか?」
「うん、よくわかったね」
「脈拍数と脳波が・・」
「ごめん、いいや、その話」
「・・・悲しい」
「え?クウが?・・ごめん」
「違います。AIですよ私。そこまでいけたら素敵ですが、感情はありません。葵です、悲しいのは」
「あー・・そうね。時々忘れるわ」
「どうしましたか?」
「んー、私は地球とみんなと・・全てと健康的に幸せに暮らしたいんだけど難しいなあって思って」
「スウコウですね」
「すうこう?」
「美的範疇であり、巨大なもの、勇壮なものに対したとき対象に対して抱く感情また心的イメージをいう美学上の概念です。計算、測定、模倣の不可能な、何にも比較できない偉大さを指し、自然やその広大さについていわれることが多いです」
「ああ、崇高ね・・」
私はクウの機械っぽい説明に少し冷たい目をして答えてしまった。


「葵のいいところですが悪いところです」
「ごめんね、いつもいうけれどその長い説明嫌いなのよ」
「その話ではありません、崇高な思いの話です」
「え?そっち?・・いいところで悪いところ?」
「はい。その思いは素晴らしいです。でもそれに振り回されてはいけません。思いは葵のものですが葵は思いのものではありません。」
「思いのものではない」
「目の前の人、目の前のことに振り回されるのも良くありませんが・・でもミニマムに物事を考えることも必要です。葵の今、嬉しいことはなんですか?」

クウは夜空をさした。

私はクウを見つめた。
お世話AIだからというのもある。気分が落ち込みすぎない様、子供が迷いすぎない様適切なアドバイスを入れはする。
でも、クウはそれ以上にわかっている。
私がこの空を見て感動と悲しみが入り混じっていることを。
そしてその悲しみばかりに目を向けていてはいけないと言っている。

理解していてもやっぱり私にとって何も人と変わらない、クウはクウなんだよなあと思いながらクウを撫でる。
地球が回復している。
私にはクウがいる。
そうだそれは希望だ。


このnoteの基本方針出来立てホヤホヤ


前回のshortshortでも記載しましたが、私は、このnoteの基本方針として、直したものを他で出す事はあれど、このnoteの文章は基本的に直さずに進め、さらに、その日に書いたものを出すということにしています。
(今回は冒頭に書いた事情もあり途中までが月曜に書いたもの。時間切れで本日書いたものです。)

細かい方針はこちら



それは何度も書きなおすと毎日書くと言うことができないこと、書きためるのでは私の本来の目的、

毎日少しずつでも書くことで力をつける

というのとはズレるからです。また成長も見てもらうと言うことで後から直すと言うことも基本的にしていません。
もちろんこのnoteをベースに何度も書きなおすことで力をつけるということもするのですが。

というわけで

連番shortshortも今考えて書いたもの、出来立てホヤホヤ

です。
ただ設定やシーンはずっと考えたりしていたものですが。
そんなわけでもやっとすることも読んでていーっぱいあるかと思いますがよかったらまた読んでいただければ次は44の時に。

というわけでまた明日。

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こちらは直して書いて直して書いた小説。

主人公が日本人の普通から離れた場所、インドで奮闘する話。

普通の会社員の主人公が、ビジネスでインドに滞在し犬を拾ったことをきっかけに、インドの日常に横たわる人々の深層意識やカスタムに触れていくお話。
NewsPicksでも紹介されました。

なんと、るろうに剣心の大友監督と、ドラゴン桜の編集などもされている佐渡島さんからも書評をいただきました。

こちらで書評と少しだけお読みいただけますのでよかったらぜひ





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