第25話:普通の玉子焼きと異常な卵焼き
4月のある日、カミさんが「ねえ、これ読んでみて」と言って一冊の雑誌をもって寄って来た。“暮らしの手帖”という雑誌の投稿欄のある文章を指して、これを読めと言うのである。
どれどれと読み出してみると弁当のおかずの話で、妻のやっていることも夫の応対の仕方もどことなく我が家に似ている。
“いずこも同じなんだ”と安心やら不思議やら、そんな思いに浸っていると、横でカミさんがニコニコしながら
「ウチと似てるでしょ」と言う。
思わず
「うん、似てる。と言うか…そっくりだ。」と答えると、