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70点の力で走り続ける

こんにちは、Soratoです。

今日は「継続」や「人生全般における心構え」に関するお話です。

人生はマラソンのようなもの

短距離走、長距離走、高跳び、幅跳び、ハンマー投げ、、、、、

陸上競技には様々な種目があります。

なかでも走る種目は距離によって更に細分化されます。

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100m走、200m走、400m走、800m走、42.195kmのマラソン

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私たちの人生は陸上競技でたとえるとマラソンのようなものだと思います。

人生という名のレースを、苦しいけれど2~3分でゴールを迎えることができる800m走と同一視する人はいないでしょうし、

普段、老後の先に迎える死の瞬間を意識することなんてないことを考えると、

ゴールを意識することができるマラソンよりもっと、もっとながい、「果てのないレース」といってもいいかもしれません。

真面目で頑張り屋な人ほど精神に問題を抱えやすい

私のnoteは心の病気の方を対象に書いています。

心を病んでしまう人は心が弱いのでなく、真面目で頑張り屋の人が多いとよく言われます。

あなたも人生をはなからあきらめているのではなく、「自分なりに一生懸命頑張ってはいるけど空回りしてしまう」と感じることのほうが多いのではないでしょうか。

そんな方ほど、人生を変えるために、たくさん頭の中で考えて、考えて、悩んだ末に、

「一生懸命努力しなくては」

「頑張らなくっちゃ」

と一念発起して、無茶な課題を自分に課してしまいがちです。

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・仕事で大きな成果を出さねばならないと考え、膨大な仕事量を自分に課す

・精神を鍛えるために、食事を変え、運動もし、瞑想もしなければならないと考える

・今まで学習の習慣がないのに、1日何時間も勉強する壮大な計画を立てる

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最初の数日は気持ちの力で何とかタスクをこなせるかもしれません。

しかし、そんな無茶がずっと続くわけもなく、最終的には、

「やっぱり無理!こんなのもうやめだ!」

と投げ出して、さらなる自己嫌悪に陥ってしまいます。

全力ダッシュは続かない

マラソンでは常にペース配分を考えた走りがなされます。

スタートから全力ダッシュする人はいませんし、レース中に急に気合を入れなおして全力ダッシュする人もいません。

それは当然、疲れてそのあと走れなくなるからです。

客観的にみると当たり前すぎる話ですが、私たちが人生に疲れ切ったと感じてしまうとき、同じようなことをしてしまっているかもしれません。

自分で自分を追い詰めてしまう人ほど、毎日を「100点」で終えなければならないと考え、全力ダッシュでないとこなせないキャパオーバーな課題を自分に課してしまいます。

結果、

『頑張らねばならないと気持ちだけがはやるものの、焦りと不安を感じ、最終的に挫折して自己嫌悪に陥る』

という、私も何度繰り返したかわからないお決まりのパターンに陥ってしまいます。

もし、あなたも、同じような思いで苦しくなっていると感じることがあれば、

「頑張りすぎてもまたへばるだけ。できる範囲のことをコツコツやっていくほうが結局は早い」

と考え、自分に課す1日の課題と合格点を下げてしまうほうが、心の健康にも、長期的な結果にも良い影響を及ぼすでしょう。

基準値は50点~80点でOK

タイトルには「70点で走り続ける」と書きましたが、日々の目標として設定する値は70点でも高いのではないかと思います。

この記事を書こうと思ったのは、「1日ひとつだけ、強くなる 著 梅原大吾」という本を読んだことがきっかけです。

梅原大吾さんは人気格闘ゲーム「ストリートファイター」を中心にプレイする日本初のプロゲーマーです。

数々の世界大会でも優勝し、42歳になった今でもトップレベルでの活躍を続ける、格闘ゲームファンの間ではカリスマ的な人気を誇る存在です。

画像出典 HIGHFLYERS 「11歳で格闘ゲームにハマる。363日ゲームセンターに通った8年間を経て、22歳でゲームの世界から一切離れることを決意

そんな梅原さんもプロゲーマーになった初期のころに、「プロになったんだから、めちゃくちゃ練習しなきゃダメだ」と考え、1日16時間もゲームの練習をしていた時期があったそうです。

当然、それほど練習すれば知識と技術は向上し、大会でも結果は出せていました。

しかし、心身へのダメージは深刻で、顔は吹き出物だらけになり、体調はいつも冴えなくなりました。

精神の調子も崩し、対戦ゲームに必要な感性も鈍っていき、「このままでは戦いのコンセプトを見誤ってしまい、対戦の要素のすべてに深刻な影響が出る」と危機感を抱き、以後は、適度に練習を抑え、ジムにも通い、体調も整えるようになったそうです。

疲れを感じたら勇気をもって休むよう心掛けるようになり、普段の打ち込み方としては、「5割からせいぜい8割くらいがベスト」と語っています。

これまで同じような過ちを何度も繰り返してきた私にはこの言葉が深く刺さりました。

「高すぎる課題を自分に課す→疲労困憊する→挫折する」

というループを繰り返してきた経験から、(人生という)長期的なレースでは意識的に力をセーブすることも重要なんじゃないかと漠然と考えていましたが、梅原さんの言葉のおかげで「やっぱりそれでよかったんだ」と思うことができました。

もちろん物事に一生懸命に取り組むことは悪いことではありませんし、常にマイペースで生きていけるほど世の中は甘くありません。

受験の追い込みや社運のかかったプロジェクトのように、時には多少の無理をしないといけないこともあるでしょう。

ですが、私たちの日常はあくまで長く、長く続くマラソンのような人生の一部です。

「全力ダッシュなんて続くわけがない」

やる気が空回りして、人生に疲れを感じた時ほど、この言葉を思い出し、「休む勇気」と「あえて力をセーブする勇気」を持つよう心掛けてみてください。

もっと楽に、いろいろなことが続けられるようになり、結果も伴います。

おまけ

noteは書き手も多いと思うので、最後に18冊ものベストセラー小説を書いた作家、リサ・ジュエルの言葉も添えておきますね。

「自分のペースを守りましょう。書くペースを上げすぎると脱線して道を見失います。たまにしか書かないでいると勢いがなくなります。1日1000ワードくらいがちょうどいいペースだと思います」

専業作家から副業ライターまで様々ですので基準ワードについては難しいところですが、私も、「ちょっと物足りないくらいで切り上げる」ほうが、長く執筆活動を続けられると感じています。

この記事の内容を気に入った方は「エフォートレス思考 著 グレッグ・マキューン 第10章 早く着くために、ゆっくり進む」なども読んでみてください。

日々のタスクの下限値だけでなく、「上限値も制限する」という発想はなかなか出てこないと思うので、新たな気づきを得られると思います。

(リサ・ジュエルの言葉もこの本からの紹介です)


梅原さんのインタビュー記事 URL
HIGHFLYERS
ピークは20代前半と言われるゲームの世界。30代後半になった今、いかにプロとして成立するかを考え、鍛える日々を送る

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