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【詩】残る香り

両手で抱えても余りある
全て胸の中に抱えられると思っていた
小さな芽のままにしか見えていなかった

夜中に見る君の寝姿
こんなに大きく成長しているなんて
少年になっている姿に驚いた

毎日見ているはずなのに
急な成長を感じて
寂しくなった

手の届かない場所へ踏み出し始めている
こちらが手を差し出さなくてもくっついていたものが
手をしっかり握っておかないと飛んで行ってしまう

縁の下で支えるほどの覚悟がまだできていない
もう少し一歩前を進み追いかけてもらいたい
もう少し並走をしていたい

そんな時間が限られていることを突き付けられた夜
そっと君の匂いをかいでみる

まだ、赤ちゃんの匂いが残っていた

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