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【エッセイ】こわい未来のイメトレしてガードを固めるのに疲れたので、こわいけどやめてみた話

例えば、病院の検査の結果待ちをしているとき。

「わわ、悪い結果だったら、どどど、どうしよう…」

と何日も前から想像し、その場面を鮮やかに脳裏にイメージし、どんなことを言うか言われるか想像し、ドラマの一部のように何度も脳内再生し…。
(悪い結果の可能性が低いときもです)


想像して想像し、さらに想像してしまうタイプです。
そして、その自分で作り上げたイメージにコテンパンにされ、疲れ切っちゃう。


そして厄介なことに、


いろんなパターンの「こわい未来」をイメージしておかないと!
だって、考えてなかったことの方が、現実に起きる気がするし。
急に来るよりは、ダメージが軽いような気もするし!!


…という、自己防衛機能?が備わっているらしいです、私には。
もはや呪いなのでは?


無駄だからとっととやめた方がいいよ、と言われてしまいそうですが…。

わかってます!わかってるんです、自分でも。

自己防衛機能どころか、自分を痛めつけてる…。

なので今回、自分に聞いてみました。

「ねえ今まで、こわいイメトレって役に立ったことってあるの?」


「うーん…やってなかったときは、いきなり後ろから叩かれたような気がしたなぁ。
イメトレしておけば良かった!バカバカ私!!って」


「けどさ、大丈夫だったことのほうが、その何倍も多いんでしょ?」


「…まあ、確かに。でもジンクスみたいなものだから」


「もしかしたら…現実よりも自分の想像のほうに打ちのめされてない?」


「それは分かってるんだけど…」


「トータルで言うとさ、だいぶ損してるよね??」


「…おっしゃるとおりです。でもでも、ジンクスだから、やらないのもなんだかこわくて…」


「そっか…」


「…まあ、自分でも本当は疲れるからやりたくないんだけど…」


「わかった。それなら今回、賭けてみない?」


「…賭けるって?なにを?」


「その〝こわいイメトレ〟やめてみるの」


「えっ?!…で、でもそしたら、ほ、本当のことになっちゃうかも…」


「それで大丈夫だったら、ジンクスには意味がなかったってことでしょ?
頭の中で作り出したからって、現実が変わる訳じゃないよね?」


「まあ…確かに」


「いつもこわいイメトレで心のガード固めて、それで和らげようっていうのは分かるけど、
辛い方が勝っちゃうならメッチャ損してるよね?」


「それは確かに。…でも、やっぱりこわいな。できるかなぁ…」



「うんうん、ずっとやめられなかったんだから、そりゃ怖いよね。
…でもまあ、とりあえずやってみたら?」


***



できるか?私。

そろそろ大人になろうよ、私。
…もういい大人だけど。


こわいイメトレをしそうになったら、(そいつは主にトイレの中、布団の中にやってくる!)

「きたきた、いつもの自己防衛機能。でも私、だいじょうぶです」

と、手のひらを立てて、ストップする。


ちょっと考えかけたときもあったけど、やってみました。
私にしては、けっこう頑張って。


***



そしてその「賭け」の結果ですが…。



私、勝ちました!!


う、嬉しい!!!


「なに言ってんだこの人?そんな大したことない話を大げさに…」

って思われそうですが。

ほんとにそうです。
ちっぽけな私の、ちっぽけな勝利です。


でも、なにか達成感のような、一歩先に進めたような気がしました。


***


歳を重ねていくごとに、精神的には色々削ぎ落とされて、楽になっていくはず…と思っているのですが。

こうやって、私の場合はとくにゆっくりゆっくり、階段を上がっていくんだな、と思いました。


いい大人なのに、ゆっくりすぎ…!



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