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「怠惰にミモザに花まるけ」

 先日登った山の麓に咲いていた、これは桜で合ってるだろうか。暖冬の二字に振り回された冬が終わろうとしている。日々の暮らしに菜の花が映り込む季節になった。

 執筆の速度と文量を大幅に減らすと、早起きの必要を感じなくなったのか、二度寝の常習犯になった。夜明けは日に日に早くなるのに、御用がないとビシッと朝起きようとしない。温もりに満ちた冬仕様のお布団が、まだいいよ、ゆっくりすればいいよと、誘惑してくる。実際何だか凄く眠いのだ。

 何かが大きく変わろうとする前、物凄く、ただひたすらに眠かったりするんだそうだ。

「え、じゃあこれ、吉兆の前触れ?」

 んなわけない。ただの怠惰だ。長編執筆に本腰を入れるには時期尚早なため、ずっと助走している感じだ。それもゴールは見えないまま、道が合っているかもわからぬまま、ただきょろきょろしながら一応助走と信じて進んでみているだけなのだ。

 同時にいくつもの事を実行するのが苦手だからと一旦筆をおいた自分だけれども、そうするとこの有り様。やる事はあったと言えばあったわけで、何もしてなかったわけじゃないけれど、心のどこかが「怠惰じゃない?」と私の不安を煽る。

 だから、朝起きてみることにした。一行も書けなかったとしても、とりあえずキーボードに指を載せてみることにした。目薬を差したら、眩しいパソコン画面がちゃんと見えた。

 最後の「食の風景」から5か月くらい開いたようなので、それじゃ何か書くかと写真を掘り起こしてペタペタ貼っていたんだけれど、文字が打ちたくて、エッセイに切り替えた。食の風景も完成したら出す。先に言っておく。これで実行するしかない。

 私は職業柄帰宅が遅い。だから朝起きるという事は睡眠時間に直結する。でも起きてみる事にする。二度寝よさらば。いや、たまには許して欲しい。と、先に少し逃げ道作っとこう。自分に厳しい時代は終わったのだ。そう私は、自分に怠惰を取り入れて、適度にゆるく生きていける人でもありたいのだ。


 明日3月8日は「国際女性デー」だ。女性への差別撤廃と地位向上を謳う。日本でも少しずつ広まって来た様子だが、そこにはミモザの貢献度が高いように思われる。現に自分もミモザから知った口である。何はともあれ自分は日々を頑張る人々へ感謝する日。あなたの幸せを願う日だ。

 花はいい。いい季節になった。人によりけりかも知れないけれど、そこかしこが華やかになると、見ていて嬉しくなる。

 よし、30分オーバーだ。これにて日常に戻りけり。今日も生きている。今日を生きている、いち、ここにあり。だ。そうそう、タイトルの「まるけ」とは、花だらけという意味である。東海地方の方言だそうだ。


                        文と写真・いち

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