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食の風景

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「食の風景」とは、食に纏わる美味しいお話から、料理のあれこれを、時に脱線しながら、思うままに腕を揮っては語っております。レシピは無いけれど、今日も美味しいご飯を一緒に食べませんか。
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#秋の味覚レシピ

食の風景「ぶどうに誘われて牛たたき、秋に囲まれる」

 去る秋に頂いた果実酢の可能性を探るべく、引き続き果実酢料理のお話をします。巨峰味と合わせてみたいので、牛たたきを作りました。  オージービーフの牛もも肉塊を買って来て、塩胡椒を振りながら全面を鉄のフライパンで焼いていきます。その後アルミホイルに包んで余熱で少し火を入れ、冷めたらラップに包み冷凍保存も可能です。半解凍位が切りやすいです。    今日は白菜の千切りと焼きしめじ、秋南瓜、それに焼き粟麩を添え野菜にしました。もも肉ですからあまり出汁は残っていませんがたたきを焼いた

食の風景「果実酢の可能性」

 口に入れた瞬間、まるで果実を齧ったようなフレッシュな甘味と香りが広がりました。   去る秋の事、果実の旨味がぎゅっと詰まったお酢を頂きました。「シークワーサーと八朔」「巨峰」「マスカットオブアレキサンドリア」の三種類です。炭酸水などで割って飲む以外に、お料理にも使えるとのことで、想像が膨らみます。早速色々試してみました。 こちらは巨峰味のお試しに用意した、きのこと野菜の炒めです。塩胡椒しただけの炒め物が、どんな味に変化するでしょうか。どきどきです。 もう一品、海鮮マリ

食の風景「君が好きなきいろみどり、そしてあか」

旬を迎えた南瓜が美し過ぎやしませんか。半分に切った状態で断面を見せて並んでおりました。その多くは秋の彼岸に思い立っておはぎの南瓜あんとなりましたが、残りは元々食べたいと思った蒸焼きかぼちゃにしました。鉄のフライパンへ皮を下にして並べ、水を回し入れて蓋をします。じゅうじゅうじゅうじゅう、あっという間に甘い香りが漂います。水分が飛んだ頃に蓋を開けて焼き色を確認。こてんと向きを変えて、全体に火が入っていれば出来上がりです。味付け無し。それで良いのです。旬の南瓜は味付けいりません。甘

食の風景「秋の先陣切ったよ平茸ごはん」

そこは秋の入り口。少し歩けば大きなかぶがありました。平茸の株です。おばあさんやねこやねずみの力を借りなくても一人で持ち帰れるサイズの平茸の株です。 スーパーにきのこが盛り盛り置かれるようになると、「秋だもんねえ!」とやたらと誰かに共感を求めたくなります。年中食べられる食材ですが、秋のきのこは格別です。どれもみんな旨味が増して、活き活きとしています。余計な事はしないで、只炭火で焼いて頬張りたい。そう思わせる姿形をしています。 そんな立派な平茸を、ごはんの鍋で炊き込みご飯にしま

「秋の彼岸に色とりどりのおはぎを」

 刷毛で伸ばしたような薄雲が広がる秋空の下、土手に並ぶ彼岸花は地元の小学生が植えたものです。小道に並んで、今年も秋の彼岸を迎えました。仕事と執筆の合間に作れるかな、どうかな・・・と思いつつ、そろそろあんこが食べたいと思います。台所で材料の在庫を確認。 もち米220gに米320g。もち米100%が好きですが在庫が無いので今日は混ぜます。はかりでグラム計算したため3合以上に。 ※一合は約150g・180CCです。 あんこ・・小豆210g、三温糖100g、黒糖3かけら、塩ひとつ

食の風景「サーモンピンクでお洒落して」

皆様こんにちは 本日はいちのお台所へお越し下さいまして誠にありがとうございます。え、見えないですか?青いエプロンを身に着けたのがいちですよーここに居ますよー さて、今日はごはんの鍋で作ってみようの日です。 「鮭ごはん」に挑戦したいと思います。瓶詰の鮭フレークは楽ちんでしょうが、一緒に炊き込む、旨味が沁み込む、皮や骨を取り除く手間がかかっている。だからこそ口へ含んだ瞬間「美味しいー」と叫びたくなる鮭ごはんを作ってみます。 材料は 前日から水に浸しておいた黒米と玄米 米三合

「食の風景・鴨のローストと秋の実り」

時にはボリュームのある夕食を。晩秋のとある夜、鴨のローストを作りました。秋の実りと共に、 「いただきます」 この、食卓に着いて手を合わせる瞬間が好きです。幸せが込み上げて来るから。 本日の献立 ①紅はるかと黒米のさつま芋ご飯 ②キャベツの芯のまわりと小松菜の茎と人参の合わせ味噌汁 ③本日のメイン・鴨肉のロースト風、秋野菜と一緒に 鴨はフライパンでじっくりロースト風に焼いて、出た油で、まずは人参を焦げ色つくまでしっかり焼きます。香ばしい甘味が出て、一層美味しくなり

「食の風景・おにぎりのある朝ごはん」

久々登場の朝ごはんプレートです。只今わたくし#OnigiriActionに絶賛参加中でございまして、常の朝ならば殆どお皿に盛るだけのご飯を、 ぎゅっと むすびました。今朝は「黒米入りのごはん」、中には昆布の佃煮が入っています。そして、大好物の「刺身わかめのサラダ」に、「レーズンとナッツ盛り・きな粉掛け」に、「果物」です。遂に林檎と再会果たしました。秋ですね。早生ふじです。それからピオーネ、キウイです。このキウイ、只半分にカットしただけなのですが、スライスよりも、味がよく分

「食の風景・それじゃ炊き込もうか」

秋になると炊き込みご飯食べたいなと思います。具材も色々選べますし、素朴な栗ご飯も捨てがたい、さて何が良いだろうと迷いながら買い物へ行きました。 十六穀米に黒米と黒豆茶の豆を入れて水に浸していました。そこへ秋色を、ここはもう合わせ技にして、豪気な炊き込みご飯を作ろうと思います。 六合のお米に、秋のさつま芋は皮付きのまま角切りに。新蓮根は表面削いで同様に角切り。舞茸としめじは手で裂くので、捨てる処はしめじの先のほんの少しだけ。そして皮つき人参を短冊よりは少し細切りにして半分に

「食の風景・季節の天ぷら」

「藤の間揚げ物あがったよ」 忙しい厨房の中、飛び交う威勢。一方では煮方の兄さんが親方に味見をお願いしている――天麩羅を並べるとそんな料亭の厨房思い浮かべます。 天麩羅、唐揚げ、フライ・・・。揚げ物はどうも奥が深く、考える程に手強い料理だと思います。衣、油、温度、見栄え。いつか上げたてを提供してくれる天麩羅屋へ連れて行って貰った時、その仕上がりにいたく感動しました。職人と云うのはやっぱり凄いものですね。油で胃がもたれる事もありませんし、何より一つ一つの食材が、外側はさくりと

「食の風景・御松茸」

数年に一度なら、いいかな、と思う高級食材。御松茸にございます。然しながらこちらの写真、国産ものではありません。ですが、御覧下さい。立派です。風格漂わせています。何の風格かな?勿論、キングオブオータムです! 無論のこと高嶺の花ですから、いつものスーパーへ平然と並べてあってもぽんとカゴへ入れる事はできません。ですが、自分がかつて子どもだった時代、何度か口にする機会を与えて貰いました。それが食卓へ上る事がどれ程稀有な事だか、大人の顔色を見れば凡そ見当が付きます。それでも、昔から食