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企業再生について考える。

東洋経済新聞社出版、名和高司著の「企業変革の教科書」をご紹介。

一冊3800円と結構なお値段ですが、個人的には良著でした。特にP32のコマツの経営改革に関しての内容は一読して損はないかなと思います。当時、坂根社長は赤字に苦しみ、「経営の見える化」「成長とコストの分離」「強みを磨き、弱みを改革」「大手術は1回だけ」をキーワードに経営改革を行い、見事V字回復を成し遂げたと言う話。

日産のゴーン元CEOも基本的には、リストラ→コスト削減→コア事業に集中し、ノンコア事業を縮小または撤退という手法で企業再生をされていますが、基本はこのスタイルになるのかなと思います。

つまり、一回組織内の脂肪を落としてダイエットし、健康な体に戻るというプロセス。命の危険がある場合は、即手術と言う状態になります。

私も仕事上で企業再生に携わったことがありますが、やはり同じプロセスを辿りました。本当は売り上げを伸ばして利益を得て・・というのが理想なのですが、簡単に売り上げが伸びたら苦労しないですし、下手にディスカウントして売り上げを伸ばすと逆に利益率が落ち、その後価格が戻せなくなるという自体にもなります。

企業再生には、人件費などを圧縮して粗利を大きくするPLのアプローチと、売掛金の回収を早くし、一方買掛金の支払いサイトを伸ばして、手元の現金を多くするBSのアプローチがありますが、要するに手元資金がショートして支払いができなくなった瞬間にゲームオーバーなので、キャッシュフロー経営は本当に重要だと思います。

この辺のことを勉強されたい方は、PHP文庫から出版されている「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」がおすすめです。ストーリー仕立てで本当に良く説明出来ているなと感動致しました。

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