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初めてのテーブルロール

パンのアレンジレシピの本を見ていた。
テーブルロールという真ん丸い、バター風味のほんのり甘いパン。
「余力があればパンから作ろう!」という言葉にふと思い立ち、即座に髪をまとめて台所へ向かい、エプロンの紐を結び、セーターの袖を肘まで引っ張り上げながら、ボウルや秤を次々と取り出した。

手作りパンに憧れて、ほとんど捏ねなくていいパンを連日のように焼いた時もあったけれど、どちらかといえば日々のおやつに簡単で素朴な焼き菓子などを作る方が多く、パン作りからはしばらく遠のいていた。

でも、やっぱり美味しいパンを作って食べたくて、
「今度こそ!」とイーストや粉、バターなどを買ったところだった。

久々で、たどたどしく作り方を目で追いながら、ページの上にワッと粉が飛び散ったり、「あっ!」とか「ん…?」とか言ったりしながら、いつの間にか没頭している自分に気づく。
パンに限らず何かを作ってる時って、やっぱり充実した時間だ。

一つひとつが、何だか愛しい。

この世で好きなもの…

オーブンで、いよいよ焼けてきた時に漂ってくる、
あのほんのりと甘い匂い。
「もうすぐできるヨ!」のサイン。

そして焼き上がりにびっくり、歓喜!
見れば本の方が表面もツルんと滑らかで、もっと真ん丸で、もう一回りくらいふっくらしているけれど、「可愛い~っ!!」と思わず連呼してしまうほど上出来だったのだ。

嬉しくって、あっちこっちから撮りまくり🤭

ブルーベリーのジャムも作ってみた。
レンジで冷凍ブルーベリーで簡単に、食べたい分だけ作れるなんて…
甘さもほど良く控えめで、甘酸っぱくてきれいな色。
焼きたてに、クリームチーズと一緒に塗って味わった。

ああ、美味しい。
優しい。
うれしい。

そして、可愛い。

願いが叶った朝だった。

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