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おとなの読みもの

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おとなにおすすめの本。 いつか、おとなになる子供におすすめの本。
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#フランス文学

法の精神

法の精神

法の精神

モンテスキュー 1648

自然法則を含めた広義の法は「事物の本性に由来する必然的な関係」であり、法制度も気候、風土、国民の性質、習慣、宗教、産業などの諸要素によって規定され、それらが立法者の意図と相まって作り出す関係が「法の精神」であるとされる。
モンテスキューはさらに、あらゆる政体を共和制、王制、専制の三つの基本形態に大別し、それらがそれぞれ異なる情念(徳・名誉・恐怖)によって支え

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ローランの歌

ローランの歌

ローランの歌 11世紀

「われらは正しい!邪はそれ外道にあり!」

極端な二元論に基づいて「われら」(キリスト教徒)が「外道」(イスラム教徒)を打倒するというのが作品の流れです。
「戦争もの」は人々の心を掴みます。生死を賭けた戦いの表象は、戦場に立った事がない人にこそいっそう魅惑的に映るもの。
フランス文学史上最初の傑作として挙げられるこの武勲詩「ローランの歌」で描かれる「外道」ことイスラム教徒

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アエネーイス

アエネーイス

ウェルギリウス BC70頃ーBC19

ギリシャ軍との戦いで滅亡したトロイアから逃がれ出た勇者アエネーアースが西の地を目指し、カルタゴを経て約束の地であるイタリアに至り、土着の住民たちとの闘争を乗り越え、最終的にローマの礎を築くまでの道のりを描くこの作品は、普遍的な共同体ローマの永遠なる支配の確立=「ローマの平和」という運命の実現の歴史として語り出されています。

アエネーアースの旅は故郷へと戻る

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