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水曜、夜のメメント・モリ 第六回

今週のテーマ:「人間関係ぼちぼち」



11月に入ってまたまた周辺の環境が変わりました。
慌ただしくも、平和で幸せな日々を素朴に送っている。そんな今日この頃です。

・1日~都内某所へ拠点を移した。文章がまったく関係ない仕事もできた。環境を変えたことに理由はいろいろあるけれど、自分が好きだと思った街で過ごしたいと思ったことが一番の要因。「ここでなら暮らしてみたいな」、と思った場所に暮らす場所も働く場所も決めて、「好き」に身を染めて生きてく。お陰で好ましい人達が周りに集まっていて、好調だ。

・大学生の頃からなんとなく「人生は個人戦のように見えて、団体戦なのだ」ということに気付き始めた。ゲストハウス生活を2年続けて、共同生活で対人能力を鍛えてはいるが、未だに誰かを心の底から信用したり頼ったりすることに慣れない。が、肩の凝る生き方をしても限界はあるし、できることも少ないので方針を少しずつ変えている。

・学校の図書室にあるようなヤングアダルト系にありがちの、「個性的なキャラクターと暮らす共同生活」に憧れていた。まさか、成人してから叶うとは思っていなかったけれど、昔読んだ小説のような日々を楽しんでいる。最近は、よく果物をくれる台湾の女の子や在宅ワークをしているドイツ人、ハワイ在住の陽気なおばさま等々、多様性のある人々が今いる場所にチェックインしている。皆、まごうことなき個性派だ。

・平和なゲストハウスでも、たまにこまった人はいるものだ。最近、身の上話と過度な自虐の酷いご婦人がチェックインした。私の地元にゆかりのある人らしく、親近感をもたれてしまったらしい。とはいえ、自分は人に対しての好き嫌いが激しい上にわかりやすく態度に出るので、塩対応を取っているうちに波が引いてきた。私は、平和な日常を楽しみたいのであって、湿り気のある毒にも薬にもならない話を聴きたいわけではないのだ。

・10月末に、2年くらいの付き合いになる友達と遊んだ。古着を見に行く予定で下北沢へ行き、お店を冷やかしたり素敵なカフェでのんびり話し込んだり。その日、彼は私の持ってきたキャリーケースを、一日中代わりに持って歩いてくれた。それに、エスカレーター脇に落としてしまったイヤーカフを拾ってくれたり、歩いていて疲れてないか聞いてくれたり、親切だったし居心地が良かった。彼の素朴で気持ちよく時間を過ごさせてくれるところを、とても好ましく思う。

・新しい職場で初出勤を終えて、少しずつ場に馴染みつつある。職場の人はいい人達ばかりで、入って来たばかりの私によくしてくれる。初日の休憩前に「頂いた美味しいプリンの賞味期限が千代さんの出勤日だったから、みんなでひとつ残しておこうって決めてたの」と言われて、思わず笑ってしまった。あまりに人が良すぎる。

・今お世話になっているゲストハウスのオーナーSさんとランチに行った。ドライフラワーが可愛らしく飾り付けられたカフェで、スパイスカレーを食べる。初めてお会いしたときはサッパリした方だと思ったが、仲良くなると繊細で悩み事が多いことがわかった。よくよく考えると、素性のわからない他人を自分の作った思い入れのある場所に寝泊まりさせるって凄いことだよな……。

・久しぶりに、母方の祖父と連絡を取った。私は、訳合って家族とあまり仲が良くないが、祖父は親族で一番好ましい人だ。若い頃はやんちゃだったそうだが、今はタクシーの運転手をしていて、高齢だが頭が柔らかい。幼い私に一番かまってくれたのも祖父で、よく夜にオセロをしてわざと負けてくれていた。なかなか孝行はできそうにはないが、自分の状況がもう少し進めば変わるかもしれない。

上京してから2年、友達も知り合いも増えたと思う。ただ、自分の周りにいる人はどこか新し場所へ向かっていくタイプが多く、知り合って長い年月を過ごしても別れが存在する。

もちろん、今生の別れではないし、会おうと思えば会えるけれど、周りに信頼できる人間がいるに越したことはないと思う。だから、新しい環境でまた少しずつ縁を増やしていこうとしている。
自分は、不安定になることに対して怖がりだから、どうしても保険をかけようかけようと用心して動いてしまうのだ。

幸い、自分の周りはいい人が多いし、自分は周りに対して誠実でいられるように努力できるだけの自信はある。
あとは、周りの人間に気を配れるだけの余白を常に持てるように、自分の環境を整えてくだけだ。

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