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学年ビリ2位の中学生を学年2位にした話(第2話:怒涛の3週間)

そらまめごりらです。

前回からの続きです。

第2話 怒涛の3週間

無事に1回目の授業が終わり、簡単に女の子の母親に報告した。来週の授業については問題演習から入っていくことを伝え、最後にこう付け加えた。

「問題集については、来週までに準備して持ってきます。教材費はいりません。」

おじきをして、車に乗った。

その足で近くの本屋さんに向かった。問題集を買うためだ。女の子が問題を解く様子、どんな問題が得意で、苦手なのか。

どんな厚さの問題集ならモチベーションを保って続けられるか、色や問題集のテイストも考える必要があったので、記憶が新しいうちに買おうと思った。

本屋の駐車場に車を停め、迷わず小学生用参考書や問題集がある棚に向かった。

まずは来週分のみの問題集だ。
3週間で4年分なので、最初の週は難易度も考えて3, 4生の範囲のものを買うことにした。

辞書みたいな問題集からA4の薄いノートサイズの問題集、学校で配られるようなドリルまでたくさんあった。

勉強の習慣をつけるためには、小さな達成感をできる限り感じてもらうのが大切だ。

「なんだ今までやってきたことなんか大したことないじゃん。」と思えるのが中学入学までの絶対条件。

なので、必然的にA4の薄いノートサイズをいくつか手に取り、中身をペラペラめくり、慎重に問題集を選定した。3、4年生分だけで、5冊ほど買った。それなりにページ数はある。

問題集は、書き込んでいいものにした。書き込んで、終わった問題集をどんどん積み重ねていくイメージだ。

授業は、小学生3、4年生の最も基本的な問題集を使って、つまづきそうな問題をピックアップして、数問は、一緒に解く。これは問題を解くことに抵抗感を持たせないためだ。残った時間で、制限時間内に問題集1冊を終わらせる、という流れだ。

解いていく感じを見て、授業の終わりに残りの問題集を渡して、まるごと来週までの宿題にする。多めに問題集を買ったのは、分量と難易度を判断して、何冊できそうかその場で判断する必要があったからだ。

ギリギリ1週間で終わるくらいを狙う。買ってきた問題集が負荷が高すぎると感じたら、もったいないが問題集は破棄だ。
そんなに安いものでもないので、実際は返品を考えていたが…

1週間が経ち、2回目の授業だ。

女の子の家の敷地に車で入ると、すでに女の子は待っていた。犬と一緒に。
犬とめちゃくちゃはしゃいでいた。

「先生きた!!!」

学生だったので、こう言われるとやっぱり新鮮だ。

早速、部屋に入り、準備を始めた。次の授業から問題を解く、ということを事前に予告していたので、心の準備万端。

机に手をついて、飛び跳ねていたから間違いないはず。トトロのメイちゃんみたい。

かばんから予定通り、その場では解く予定のない問題集は見えないようにしながら、真新しい問題集を1冊だけ取り出した。

大抵の小学生だったら、多少勉強が嫌いでも、新品の問題集はテンションが上がる。

女の子はジュニアアスリートということもあり?鼻息が荒かった。
いい傾向だ。興味、好奇心は一番といっていいほど、大事に扱わないといけない。

3,4問ピックアップして、解いてもらい。問題集のレベルが特に問題なさそうだったら、早速解いていってもらう。

授業は、残り50分。この問題集を全部終わらせることを課した。

すぐに、「むりだよーーーー!!むり!!!」
隣の部屋に確実は聞こえているであろうボリュームで叫んだが、顔は笑っている。いけるな。とおもった。

「はい、時間ないよー、はじめ。」慌てて、問題を解き始めた。

予想では、3分の2くらいいけるかなと思っていたが、半分ちょっとというところだった。

「あー、終わんなかったー!くそー!!」悔しそうな顔だが、笑顔だった。

「はい、終わらなかったところは、来週までの宿題ね。プラスこれ。」と言って、かばんに隠していた残りの問題集4冊を差し出した。

「えーーー!!?」さすがの女の子も驚いた様子だった。

問題の解答スピードは、予想よりは遅かったが、まあまあの進捗だったので、買ってきた問題集5冊は、結局、全部宿題にすることにした。

ギリギリ1週間で終わるだろう。答え合わせは、自分でやってもらうことにした。答えの○つけまで完了させることで達成感を味わってもらうのが目的だ。

中学入学直前のアスリート中学生の怒涛の3週間がはじまった。。
続きは次回。

ではでは。


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