ハッピーバースデー、大切な人【20240814】

　今日は母の誕生日。
　先に書いておくと、わたしは母が大好きだ。マザコンだ。毎日アイラブユーと言っているし、毎晩ハグを求めている。しつこすぎるのでたまに無視されるが、それに対して拗ねてみせると笑って対応してくれる。わたしは母が大好きだ。
　母が誕生日を迎えた。
　誕生日プレゼントは数日前に渡していた。待ちきれなかったのだ。母が好きなキャラクターがちょこんと佇む筆箱をプレゼントした。とても喜んでくれたので、もうとても嬉しかった。
　母は甘いものがあまり得意じゃないので、父が朝一番に買ってきた誕生日ケーキはさっぱりした甘さだった。父とは大違いでチョコを好んでいないので、フルーツのたくさん乗ったショートケーキ。だいたい母の誕生日くらいしか食べないそれは、エアコンで冷やされた部屋の中でも、溶けて崩れてしまった。
　夜は焼肉だった。部屋の中をもくもくと煙が覆い、わたしは謎の腹痛に襲われ、母はどんどんと肉を焼いていた。母は1年に1回の誕生日でもいつも通り家事をしてくれるし、いつも通りに昼寝をして、いつも通りにテレビを流し見る。
　ああ、お母さんがお母さんでよかったなあ。
　母を見ているとそう思う。
　わたしは間違いなくとっても恵まれている。そりゃ、母のことを鬱陶しく思ったり嫌いに思ったりする日はあるけれど、やっぱり好きなのだ。母が母でよかった。母も思ってくれていると嬉しいな、わたしが娘でよかった、って。