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文芸部誌「うわごと」
2020年6月12日 20:28
『いるばしょ』ここにいたいとかいるだとかせせら笑えるほど ぼくに重さはない高カロリーな承認欲求きみがいればいい!なんて、思いたいのに思えない居場所蹴り飛ばして拗ねる万年床の畳を嗅ぐここですと勘違いをするどこだなんて些細な問題だぼくはぼくじゃないここじゃ ひとつも いられない『空想式さんぽ』熱を孕んだ肌がふくらんで破裂した拡大する自己表現カッコワラ
2020年5月22日 18:24
『濡れ』惨めな気もちになりたいあからさまな停滞を許したい僕は僕でありたい、痛い承認欲は塩からい、痛い濡れたい濡れたいんだ濡れたい『中』お気に入りの曲バスドラムにあわせて呼吸をした朝陽が入りにくい部屋 黄色くなる窓を見た胸が押しつぶされそうだ、昨日、食べ過ぎたから眩しくなくていいよ微睡んで、まだ寝ていたいよ半目で眺めたSNSは、いつもより鮮明に見える
2020年5月15日 12:22
『虚夢十行』 〜ボンドの夢〜 親指と人差し指の間で乳白色の粘り気が脈を打つ。隙間からあぶれたボンドをものぐさに指で拭ってしまったばかりに未だこの粘着力からは解放されない。指をこすり合わせ、違和感から脱出を図ろうとすれば、日本の指の腹の間では薄い乳白色のこよりが少しずつ育っていく。 日射しがカーテンのない窓から入り込み、剥き出しの眩しさや熱さが締め切り間近の宿題の作品を照らす。謎の使命感