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ママ、ごほんよんで

息子が乳児の頃から毎日欠かさず
寝る前にベッドの中で絵本の読み聞かせをしていた。
パジャマを着て、自分で選んだ絵本を抱えて
「ママ、ごほんよんで」と
トコトコやってくる姿は本当に愛らしかった。

大きくなるにしたがって
絵本はやがて図鑑になり、
私が読むより息子が図鑑に載っているものを
説明してくれるようになって
そのうちだんだん本を読む機会が減ってきた。

それまで絵本の定期配本を頼んで
毎月2冊、家に絵本が届いていた。
その定期配本をやめてしまったのが大きかったと思う。

息子の発達がゆっくりだったので
絵本から字がメインで挿絵がいくつか、の童話に
配本がだんだん切り替わっていったことと
私の趣向に合わない本が時々混ざっていたためだ。
ならば自分で選んだ方が良さそうだと感じてやめてしまった。

今となってみれば絵本の配本は
親子のふれあいの大切な機会を与えてくれていたと思う。


先日、睡眠障害のある息子が
いつも飲んでいる薬を服用しても寝付けずにいた。

私はふと思いついて
絵本を持ってきて息子に見せた。
すると息子はぱあっと明るい表情になって
うきうきと布団に潜り込んだ。

もう何度も読んできた、お馴染みの絵本だった。
今までは読んでもらう一方だった息子が
節を合わせて一緒に歌うように読み始めた。
読み終わるとすぐに満足した顔で眠りについた。

それから息子はまた寝る時間になると
いそいそと絵本を棚から選んで持ってくるようになった。

以前に比べて体も大きくなったけれど
いつまでも読み聞かせは子供にとって嬉しいことなんだなと思い、
そう息子に思ってもらえて私も嬉しかった。

また配本をお願いしようかな。
もう少し、すっかり大きくなるまであと少しだけ
この時間を満喫できるように。


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