【現役人事が解説】キャリア採用者の離職率は30.1%!その原因と対策!
こんにちは!WEBライターのsora(そら)です。
ビジネスパーソンが日々少しでもスキルアップできる情報を定期的に発信しています。
今回のテーマは「キャリア採用者の離職率は30.1%!その原因と対策について」です。
近年、売り手市場となっている人材業界。
終身雇用制の時代は終わり、新卒で入社した会社の3年位内の離職率は3割前後。3人に1人が3年以内に辞めています。
そのためキャリア採用市場は活性化し、人材業界が潤っている状況なのですが、なぜキャリア採用者が離職するのか、わかりやすく解説していきます。
人事の方や転職を考えている方の参考になるとうれしいです。
業界・企業規模・職種別キャリア採用者の離職率
前提条件
下記条件をもとに業界別・企業規模別・職種別の離職率データを記載しています。
・2019年から2022年までのキャリア採用者の3年以内離職率
・2022年3月卒業の中途採用者の職種別・企業規模別離職率
業界別の離職率について
情報通信業:24.1%
金融・保険業:25.5%
専門・科学・技術サービス業:28.0%
製造業:31.3%
建設業:34.5%
卸売・小売業:35.8%
宿泊・飲食業:38.7%
情報通信業は、比較的離職率が低い傾向があります。一方、宿泊・飲食業は、離職率が最も高くなっています。これは、宿泊・飲食業は長時間労働や低賃金などの問題が根強く残っているためと考えられます。
企業規模別
100人未満:36.6%
100~499人:32.6%
500~999人:29.5%
1,000人以上:25.3%
企業規模が大きくなるほど、離職率が低くなる傾向があります。これは、大企業の方が福利厚生が充実していたり、キャリアパスが明確だったりするなどの理由が考えられます。
職種別
経営・管理職:27.6%
専門職:29.2%
技術職:31.5%
事務職:32.9%
販売職:35.2%
サービス職:38.1%
経営・管理職の離職率が比較的低くなっています。一方、サービス職の離職率が最も高くなっています。これは、サービス職は人間関係のトラブルや給与の低さなどが原因で離職しやすいと考えられます。
キャリア採用者の離職率が高い企業の特徴
離職率が高い企業には業種・企業規模等様々な要因があると思いますが、一般的に下記の特徴があると考えられます。
離職率が高い業界・職種に属している
企業規模が小さい
研修制度やオンボーディングプログラムが充実していない
社員同士のコミュニケーションが活発ではない
働きやすい環境が整っていない
パフォーマンスマネジメント制度などが導入されていない
柔軟な働き方が推進されていない
ダイバーシティ&インクルジョンの推進が遅れている
キャリア採用者の離職理由
下記がTOP5の理由です。入社前と入社後におけるギャップの大きさが退職理由につながっていることがわかります。
1.仕事内容・キャリアパス(44.0%)
入社前に想定していた仕事内容と実際の内容が異なる
キャリアアップの機会が少ない
将来のキャリアビジョンが描けない
2.労働時間・休日・休暇(38.5%)
長時間労働や残業が多い
休日や休暇が取れない
ワークライフバランスが取れない
3.人間関係(32.1%)
上司や同僚との人間関係が悪い
職場に馴染めない
コミュニケーション不足
4.福利厚生(29.2%)
給与が低い
福利厚生が充実していない
昇給・昇進の機会が少ない
5.上司・先輩との関係(28.7%)
上司や先輩から指導やサポートを受けられない
信頼関係が築けていない
意見が言いづらい
キャリア採用者の離職率を下げるための対策案
入社前・入社後の対策
1.入社前の情報提供を充実させる
・企業理念やビジョンを明確に伝える
・仕事内容やキャリアパスを具体的に説明する
・労働環境や福利厚生について詳しく伝える
2.研修制度を充実させる
・入社後研修だけでなく、継続的なスキルアップ研修を実施する
・オンボーディングプログラムを実施し、早く職場に馴染めるようにする
*オンボーディングプログラムは特に大切なことのため別途記事にて今後解説いたします。
3.個々のキャリア形成を支援する制度を導入する
・メンター制度やキャリアカウンセリング制度を設ける
・社内異動や副業制度などを活用する
社内の環境整備
1.社員同士のコミュニケーション促進
・チームワークを重視した仕事を進める
・社内イベントや交流会などを開催する
・コミュニケーションツールを活用する
2.働きやすい環境づくり
・テレワークやフレックスタイム制などを導入する
・休憩時間や育児・介護休暇などを充実させる
・ストレスマネジメント研修を実施する
制度・風土改革
1.パフォーマンスマネジメント制度の導入
・従業員の成果を明確に評価する
・定期的な面談を実施し、キャリアプランを共有する
2.柔軟な働き方の推進
・テレワークやフレックスタイム制などを積極的に活用する
・副業制度や裁量労働制などを導入する
3.ダイバーシティ&インクルージョンの推進
・女性や外国人など、多様な人材が活躍できる環境を整える
・LGBTQ+に関する理解を深める研修を実施する
まとめ|キャリア採用者の離職防止は喫緊の課題です!
キャリア採用者の離職防止やエンゲージメント向上施策については各社人事が抱えている問題の1つだと思います。
採用に多額のコストをかけて採用したにも関わらず3年以内に退職されると残念ながら企業にとっては負債しか残りません。
人材募集をする企業と求職者のミスマッチを避けるためには、入社前の事前準備と入社後のオンボーディングプログラムを行うことが必須です。
昨今オンボーディングプログラムは特に注目を集めている内容のため別途解説いたします。
今回ご紹介した離職に関するデータや理由、対策案(一般事例)を参考に自社カスタマイズした施策を検討してみてはいかがでしょうか?
本記事が皆さまのご参考になりますことを願っています。
*人事関係のコンサルティングも行ってますので、ぜひご興味のある方は下記「XのDM、若しくはメールアドレス宛」にご連絡ください。
参考情報
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
J-MANAGER「入社3年以内の新入社員の離職率|将来性がある人材の離職を防ぐ方法とは」
Adecco Group「新卒入社3年以内離職の理由に関する調査」
WEBライターsora(そら)|ポートフォリオ
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