見出し画像

風が吹いて私は耐え忍ぶ
じっとその場に固まって
どうやって息をしようか
冷静に自分をおちつけて
あとどれぐらい続くのか
これからもっと強く吹くのか
私は耐えられるだろうか
なんてことばかり
どんどん膨れ上がって
風が私の背中を押す

前からやってきたあの子は
自電車漕ぎながら
笑顔で叫んで
向かい風切って遊んでる
ズンズン進んでいくもんだから
いつの間にかすれ違ってた
あの子の背中にも風が吹く

横切っていたおじさんは
いつもの通り
何処かへせかせか歩いていって
風なんか
あー寒いねぐらいに
肩に乗ったものが重いのか
毛玉の付いたねこぜ縮ませて

自覚したら
怖くなったり優しくなったり
わからないうちは  
楽しかったりむかついたり
それぞれ毎日何かが変わって
それにもあんまり気づかない

風は乗るもんだよ
誰かが呟いて
なんだか少しはっとした


2023/01/26 SORA


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?