#4 重ならない傘
傘と傘がすれ違う時。非常に深みのあるシーンの一つである。
自分の傘を浮かせたり、傾けたり、少し閉じたりするなど周りに気を遣う配慮型と、絶対に自分は避けない動かさないと決めている沈黙型が存在する。
日常では数少ない勢力が拮抗している場面である。二つの傘が交わることは滅多になく正に「重ならない傘」なのである。
傘を指す必要がない晴れの日でもこの攻防の縮小版は行われているが、傘を持つことによって傘が感情の意思表示のアイテムとなり人間性が滲み出る。その時には傘には確かに顔があり感情があり命があるように思える。
そんな重ならない傘を頻繁に見ることが出来る梅雨の街並みを歩くのも悪くは無い。
これでシナリオ書いてみます。
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