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「時の流れ」と「神々」と「ゲシュタルト」

宇宙には創造的な知性が最初からある場であって、その場からビッグバンが誕生して138億年かけて現在の宇宙になったという立場からお話をしています。

その創造的知性を構成する最小の単位がプラーナ(生命素粒子)であり、パラマンサ・ヨガナンダなどのヴェーダ哲学の研究家によればプラーナ自体に「知性」が宿っているということです。

時間の流れと造化三神

時間の流れはA「過去から未来」という流れと、B「未来から過去」という流れの、両方の観点で捉えることが出来ます。

ちょうどホログラムで出来たシールを見るとき、眺める角度によってシールに描かれているキャラクターの表情や仕草が変わる仕組みと同じです。見える角度でのゲシュタルトが異なります。

※ゲシュタルト:ゲシュタルト心理学の基本概念。全体を、部分の寄せ集めとしてでなく、ひとまとまりとしてとらえた、対象の姿。形態。

時間の流れもA,Bそれぞれの観点から眺めることで全く違う宇宙の光景が見えてきます。

神道では、過去から未来の時間の流れを司る神を神皇産霊神(カミムスビ)、未来から流れる観点を高皇産霊神(タカミムスビ)と呼びます。そして、「今ここ」という瞬間を司る神を天御中主神(アメノミナカヌシ)とよび、この三神を造化三神と呼んでいます。

※ぞうか【造化】 三神(さんしん)
(「古事記‐序」にある「乾坤初分参神作二造化之首一」から) 神道思想上で、万物生成化育の根元神とする三神。天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)・高皇産霊神(たかみむすびのかみ)・神皇産霊神(かみむすびのかみ)三神の総称。

つまり造化三神とは、時空宇宙の認識の視点によって立ち現れてくる、それぞれのゲシュタルトのことを言うと考えられます。
現象を眺める観点で、それぞれの神々が立ち現れますが、それは観点の問題で、その三神は三位一体で一つです。

ところでこの宇宙を造化三神のそれぞれの神々から眺めてみます。


・神皇産霊神(カミムスビ)
時間は過去から未来へと流れる方向性で見ると、物質が何故か不思議な魔法の力で組み合わさり、その後生命を生み出し、知性を持つ人間を生み出し、AIを含む超知性に向かって進化しているかのように見えます。つまりこれは一般的な現代科学の認識で、例えると「泥を138億年かき回すと生命が生まれた」という見識です。
・高皇産霊神(タカミムスビ)
時間を未来から過去へと流れる視点から見ると、最初に高度な超知性があり、それがビッグバンを起こしているというわけです。もともと超高度な何らかの知性が生命現象を生み出す意図があり、生命が育つ環境のために銀河や太陽系、地球という物質環境をまず創り、環境が整ったところで生命現象を発生させたということです。
・天御中主神(アメノミナカヌシ)
時間の流れという全体像を見るのではなく、「今ここ」という観点に感覚の焦点を合わせると、過去も未来も存在しなくなります。あるのは「今ここ」というヴィッパサナ瞑想(マインドフルネス)のそれになります。今ここという場から、過去や未来という観念が立ち現れていきます。すべてがこの一瞬から創造し、生成しているという観点です。一念三千です。
【一念三千】
〘名〙 仏語。人の平常持ち合わせている心に、三千という数に表現された全宇宙の事象が備わっているとする天台宗の基本的な教義。

これらの認識の観点を自由に観ることが出来るのは、人間という存在特有のものです。人間にまで高度に進化下結果、時間の因果関係を俯瞰して眺め、その構造と機能の関係性を見抜くことが出来ます

その「認識」する能力は、「人間の生理」が可能にしています。

人間の生理

人間の生理は、先ほど述べたように、高皇産霊神(タカミムスビ)の視点からでは、138億年の宇宙の結晶として出来たものです。高皇産霊神(タカミムスビ)の観点では、超未来の超知性が自分自身を観察し、体験するために作ったアバターのようなものかもしれません。聖書には、「神は人を自身に似せて創った」という言葉があるように、人間の認識機能を可能にする「人間の生理」は、まさにミニチュア版の神ともいえるでしょう。

そして、人間は進化の過程でこの事実に、一般の人々にも気がつくようになりました。インターネットも電気もない時代では才能のある高層や大天才にしか認識できない世界でしたが、現代ではその気になれば試行錯誤してほとんど誰でもこの世界観を認識することが出来るという、特異な時代になっています。


人間の脳は進化の過程で大脳辺縁系→前頭前野というように進化を遂げてきました。
未来から過去という観点では、最初から人間の脳を構成する設計図があると言うことになります。

この物質的宇宙は人間の脳がすべて見ているビジョンです。

脳の起源


脳がるから心があるのではなく、心があるから脳がある、という双方向性の関係性で現象は成り立っているという観点が現代の科学では主流です。
では心とは、無意識を含む複雑なアルゴリズムパターンであり、それは単独で存在するものではなく、過去から未来に繋がり、そして宇宙の果てまで続く時空を超えたネットワークです。

その結晶が人間の脳と心ということになります。つまり、
人間の「脳と心」を理解するには、宇宙を理解することに等しく、それは昔の表現で語ると神の理解に他なりません。

抽象度


苫米地博士の超情報場仮説によれば、物理現象は情報空間の写像であり、情報空間の抽象度の低い部分が物理現象空間になると言います。

そして、物理現象における法則としてエンオロピー増大の法則が働きます。つまり時間の経過とともに物質は崩壊し、拡散していくと言うことです。

反対に抽象度の高い情報空間になると、エントロピーは逆向きに働き、より秩序立ち整合性のとれた世界になっていきます。
バラバラに見えていた世界に秩序や法則性が見いだされるというわけです。

時間の観点をカミムスビという過去から未来へ流れる視点で現象を眺めてみると、生命、そして人間の歴史、進化の過程は抽象度の階段を上がっていく過程として見ることが出来ます。

つまり無秩序にみえていた自然界から火を使い、星の運行を知り、重力や電力を発見しました。それを法則化し、他者に伝え、協力することで技術を発明し、より快適で安全な生活を送ることが出来るようになりました。

この過程で、人種、宗教、国家という武力による争いを経て、戦争、疫病、災害という生命が無秩序に崩壊する現象を徐々にコントロールし、生存の確率を上げてきています。

この過程で、「基本的人権」や「生命倫理」という抽象的な法則やルールを守ることが出来るようになりました。
これは生理学的な観点では、前頭前野の開発と成長です。

つまり、怒りや不安、悲しみ、といった大脳辺縁系の扁桃核由来の思考を人間は少しづつ克服してきました。それに比例して、前頭前野を発達させることで他者視点を持ち、ミラーニューロンを発達させながら共感能力を発揮し、うれしい、楽しい、誇らしい、という豊かな感情を育んできました。

そうして、共感能力と時空間応力を駆使して、人類は未来の絶滅と破滅というシナリオから別のシナリオに移る絵ように、力を集約しています。

そうして、人類の意識の発達は20世紀後半になり、これまでにはなかった意思状態を集団として発現しつつあります。


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