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世界は幻想。幻想から脱するための「感謝」という鍵。ーその2ー


前回の記事では、頭脳が認識する世界や感覚、自分の感情や考え、判断でさえ、すでに用意されていたテンプレートということを見てきました。

頭脳は、「今ここ」にあるすべての情報を、全て認識してしまうと容量オーバーになり、壊れてしまうので「手抜き」をするのです。

そのため、過去の記憶から合成したテンプレートを元に、新しい情報を挿入していきます。

「手抜き」をするために、あらかじめ用意されていたテンプレートに5感から入った情報を当てはめ、ストーリーを創作します。

例えば過去に父親から酷い叱られ方をして、ものすごい恐怖感を持ってしまったとします。これがテンプレートになります。

20年後、父親に似た人物に出会うと、テンプレートによる警戒心から身構えてしまったり、萎縮してしまいます。自分では、そのようなテンプレートを形成した覚えがないので、困惑してしまいます。

トラウマによる反応はそういうからくりが働いているといえます。

脳は、二度と不安や恐怖を味合わないように、「防衛」するために、そのような反応をします。

ということは、

それは過去に生きているということであり、不安と恐怖をベースに生きているということです。

過去に生き、不安と恐怖をベースに生きるということは、脳ではクリエイトな発想はできません。

常に防衛と、それに基づいた反応という人生になり、「生きがい」や「やりがい」という充実感を知らないままに生きます。

そうして次の世代に、生きる術としての情報を伝え、次の世代はその教えを先人の知恵と重宝しながら「テンプレート」として生きていきます

もちろん先人の智慧はとても有益なものが多く、逆に有益な智慧だからこそ時代の風化に影響されず残っているものもあります。それが「名言」「格言」といわれるものです。

しかし、「名言」「格言」は、意識化され、結晶化され、時代という検証の波に耐ええたという知恵に反し、

無意識に受け継がれた不安と恐怖の情報は、言葉という情報ではなく、態度や感情、波動としても受け継がれ、そのほとんど多くは刹那的、破滅的、依存的な行動や言動様式です。

これらの負のサイクルを終わらせるのが

「感謝」という感情であるということを、前回の記事で書きました。

心臓脳と感謝

では、その感謝という感情はなぜ、悪習慣を断ち切る要素として非常に有効なのでしょうか?!

「不安」と「恐怖」という感情は、「生きるか死ぬか」「あれか、これか」、という二元論から生じる感情で、

「感謝」は「あれも、これも」という非二元に基づく感情とも言えます。

過去の出来事や未熟な自分を赦し、可能性のあるすべての未来に希望を抱いている、という素晴らしい感情です。

そうなると、「防衛」する必要がなくなり、

ただ表現する、創造する、

という状態になります。

これが、繰り返されていた悪習から抜け出し、新たな世界を創造する起点になります。

これまでの記事のように、不安と恐怖はまだ来ていない嫌いと、過ぎ去った過去から生じる感情で、幻がベースになっています。

一方感謝は、「今ここ」の実態に繋がっているので、幻想から抜け、実体を構築するのにとても大切な要素です。

「自分には何も感謝することがない」

と感じたり考えてしまったとしても、それは過去の幻が生み出した幻の考えなので、まともに受け止める必要はありません。

何もなくても、空気や水に感謝できし、

空気や水が汚れても、

「重力」

に感謝できます。

私たちは常に既に地球から莫大な財産を無料で与えられているのです。

ただそれに気がつかず、頭脳の防衛反応から生まれた過去と未来の物語にはまり込んでいるだけなのです。

なので、「感謝」という感情はいつでもどこでも

無料で生成できます。

そのとても優れた生成方法をご紹介します。

心臓に意識を向ける・クイックコヒーランス

以下にご紹介する内容は、心臓について専門に研究を行っているハートマス研究所(http://rasurjapan.com/2017/04/09/sciance-of-heart/)の研究結果に基づいたものです。

生物で、一番最初に出来上がる器官は何かご存知でしょうか?

実はそれは心臓です。

まずは心臓ができて、その後色んな器官がつくられていきます。その指示を出しているのも、脳ではなく心臓です。

脳は心臓ができてから約4ヶ月後にできると言われています。

心臓神経学という分野が最近確立され、注目を浴びています。

そこで発見されたことは、心臓には4万個ものニューロンが存在し、ホルモンや神経伝達物質、脈拍や血圧をモニターしていることが判明しました。この小さな脳である心臓が、脳や他の臓器を動かし始めるそうです。

さらに研究でわかったことは、この心臓の小さな脳は、神経系を通して大脳とつながっており、相互に情報のやりとりを行っていることもわかってきました。

よく昔からTVなどで見たことはありませんか?

「心臓移植を受けた方が移植後に嗜好が変わり、好きな食べ物が変化した。そして調べるとそれは移植された心臓の持ち主と嗜好と同じだったといった」、という事実を基にしたドキュメンタリー。

あれは上記のようなメカニズムから説明が出来ます。

そして心臓が伝達するメッセージによって、大脳の機能が大きく変化することもわかってきています。

特に感情の状態が心拍数に影響します。

そしてそれは大脳へのメッセージとなります。この心拍数が規則正しく整っている状態を「コヒーランス」と呼びます。また「コヒーランス」の状態のとき、

人は明晰で意思決定が正確で、生産性も高く、また創造性も高まります。さらにポジティブな感情を強く感じる傾向があると言われています。

もっとも大切なのは、この心臓と脳が協調して動くコヒーレントな状態であることです。

では、どのようにすればこの「コヒーランス」の状態をつくることができるのでしょうか?
僕はこの訓練を受けて実践しています。そして職場や学生、クライアントさんに紹介をさせていただいています。

クイックコヒーランスというテクニックですが、ネットで調べれば科学的検証もされており。優れた効果も実証済みですし、私の現場でも、殆どすべてにおいて、好まし反応が出ています。

今回はその方法を皆さんにご紹介します。

よろしければ是非、簡単にできるので試してみてください。

–クイックコヒーランスの方法–

<ステップ1>
まずはゆったりと椅子に腰掛けましょう。慣れれば、立ったままででもコヒーランスは実践できます。
今ある意識の場所から(たいていは頭を使って考えているので、頭に意識があると思います)、心臓あたりに意識を向けます。この時、心臓の鼓動を意識しないようにしましょう。

最初は心臓付近に手を当てると、とってもやりやすいと思います。

<ステップ2>
心臓周辺に空気の通り道があることを イメージしながら、5秒くらいの間隔(5秒間で吐いて5秒間で吸う)で、ゆっくりと深呼吸をします。あまり深く考えずに、気楽に行ってください。

その際、あたかも心臓が呼吸しているかのようにイメージします。息を吸う時に胸が膨らみ、息を吐く時に胸が引っ込みます。

<ステップ3>
心臓呼吸を1-3分程度続けたあとに、感謝の感情を想起してください。周りにいる人たち(家族・友人・ペットなど)を思い浮かべて、その人たちへの「感謝」の気持ちを感じることができる状況などを思い起こして下さい。

なかなかこうした感情ができない人は、自分が一番落ち着ける風景や趣味などを想起することから始めてください。感謝にこだわらずに、肯定的な感情で大丈夫です。

以上です。

実践する前に準備しておいた方がいいのが「感謝」の感情を具体的に書き出しておくといいかもしれません。家族や友人、ペット、お世話になった方等。またこころが癒されるような景色や雄大な風景を思い起こしても大丈夫です。

だいたい5分程度のワークです。

最初、上手くいかなかったとしても大丈夫です。

筋肉トレーニングと同じで、最初に上手くいかなくとも毎回練習すれば、

必ず結果はついてきます。

この記事が何かのお役に立てれば幸いです。

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