1月20日。King Gnuは俺だけのものになった
ライブが始まる前の雰囲気が好きだ。
スモークでいっぱいに満たされた空間には、同じくらいの期待とワクワクが詰まっている。
会場内の雰囲気をパシャリと撮ってインスタのストーリーに投稿している人も、
「なんの曲が1番好き?」「何が聴けたらうれしい?」と話し合っている人たちも、
目的はみんな一緒なわけで。
きっとみんな、カレンダーの1月20日は輝いて見えただろうし、そこをモチベーションにしていただろう。
バンテリンドーム(いつまにか名古屋ドームから名前変わっていた)で開催されたKing Gnuのライブに行ってきた。
※ほんの少しだけセットリストのネタバレが入ります。
♢
「デビュー当時から知っていた」とか言えたらカッコいいのだけれど、僕が彼らを知ったのはベタ中のベタで『白日』からだ。
当時観ていたドラマの主題歌に起用されており、「ドラマの雰囲気に合っているなぁ」と思っていた。
で、そこから深くハマったきっかけは、たまたまYouTubeで見つけたアコースティックverの動画から。
Don't stop the clocks、It’s a small world、Prayer X、白日。
それぞれがアコースティックで演奏されているのが本当に美しくて、そこから沼るまでに時間はかからなかった。
ちょうどそれくらいの時期にフェスに行く予定があり、そのトリがKing Gnuだったのは奇跡だったと今でも思う。
僕は一緒に行く予定だった彼女に、アコースティックverを聴かせて沼らせ、トリは絶対にKing Gnuに行くことを2人で決めた。
当日の会場の熱気をどう表現すればいいのやら。
会場は出社時の東西線以上にすし詰めで、空気の薄さは富士山並みだった。
でも彼らの演奏はそんなことを忘れるくらい圧巻で。
「今度はワンマンに行こう!」と彼女と興奮気味に話したことを覚えている。
それから4年が経った。あっという間だった。
世間でいえば、ライブどころか外出も許されない時期があった。
僕のことで言えば、自分の肩書きは学生から会社員になり、当時の彼女とは別れた。
King Gnuのことで言えば、人気を確固たるものにして、スタジアムツアーでも超満員にするほどになった。
4年ってあっという間だけど、あっという間じゃない。
♢
そんなわけで昨日のライブの話に戻るのだけれど、言わずもがな最高だった。
昨日のライブの収容人数は5万人ほどらしいけど、5万通りの期待を全部超えていたのは間違いない。
「通過点にはしたくないでしょ!」
井口さんのMC通り、ライブの演出は今日が最後と言ってもいいくらい全力だった。
聴きたかった曲が1つ、また1つと演奏されていく。
時間を忘れるほどすごいのに、時間を気にしてしまうのは、このライブが終わってほしくないからだ。
紡ぐ、がピッタリだと思った。
歌詞、演奏、演出。
それぞれが絡み合って1つになって、僕たちに届く。
常田さんのドキュメンタリーを昔観たことがあるけれど、あのドキュメンタリーを観る限り、今回のライブ演出も相当ストイックに向き合ったのだろう。
前にいる人も後ろにいる人も、どんなバックグラウンドがあるのかなんて知らない。
僕たちは5万分の1だけれど、このライブは自分だけのものだ。
あぁライブってすごい。
最後はみんなで大合唱。
歌いながら思った。
あっという間に過ぎていく日々だけれど、ちゃんと命を燃やしていこうと。
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